上肢と下肢の拘縮予防に関する配慮点について

上肢と下肢の拘縮予防に関する配慮点

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です。

上下肢の拘縮が進行してしまっている利用者がいますよね。
なんとか進行を食い止めるべく、以前お世話になったPTからの紹介で、奈良勲著の「拘縮の予防と治療(医学書院)」という文献を再読しました。

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ここでは、上肢の拘縮予防に関する配慮点をいくつか紹介しますので、ご参考になれば幸いです。

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上肢の拘縮予防に関する配慮点


管理人的には、上肢の拘縮予防に関する配慮点について参考になったのは次の通りです。

①関節が拘縮している場合は、柔軟性がないので力を入れて動かすと容易に疼痛や軟部組織の損傷が生じる。その結果、本来可能な運動を避け、関節の不動の状態が続く。

痙性麻痺のある人は疼痛によって筋緊が増し、恐怖心もあって可動域が狭くなることもある。
→疼痛が生じるような動きを避け、動かす前に局所を温めてから運動することが大事。

麻痺が重度で筋緊張が低い人に対しては、アームスリングを使用。しかし、長時間麻痺側上肢の関節を屈曲位で固定してしまうため、肩関節内転・内旋、肘関節屈曲、手関節掌屈、手指屈曲を強いられる。
→アームスリングは痛みの予防には良い対処法だが、長時間での使用は避けるべき。また重力がかかる座位・立位・歩行時のみに使用させ、時々肩関節を動かすなどの配慮が必要。

④上肢の扱いは手関節などの末梢を操作するのではなく、肘関節から前腕全体を支えるようにして肩や手関節、手指を保護しつつ動かす必要がある。

⑤手に肩手症候群など浮腫を伴う状態を放置すると、手関節に背屈制限や手指に屈曲や伸展制限を伴うことが多い。
→対応として、手関節に対してコックアップスプリントを使用。手指に対して求心性に圧迫するwrappingなどの対応が必要。

さすがに老人施設にはスプリントを作製するためのセットが置いていないので、段ボールならコックアップスプリントを作製できると思います。

下肢の拘縮予防に関する配慮点


管理人的には、一番問題なのは股関節の開排制限股・膝の屈曲拘縮かなと思います。というのは、股関節拘縮が重度だとオムツ交換介助時に難渋することがあるからです。

現場でも、股関節ROM-exを行なう際には、なるべく股関節外転・外旋方向への関節運動を意識して行なうように心がけています。介護職員でも、オムツ交換時についでに股関節ストレッチを行なうようにと指導した方が良さそうですね。

股・膝関節の屈曲拘縮になる原因には、やはり長時間の臥床や座位によるものが大きいようです。股・膝関節屈曲拘縮が著明だとトランス時の介助量が増えるので、特に注意が必要です。

したがって、リハビリ視点から言うと、拘縮予防として対象者の能力に応じて立ち上がりや介助歩行を極力行なわせることが重要されています。

※参考文献→奈良勲著「拘縮の予防と治療(医学書院)」

 
最後までお読み下さりありがとうございました。
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