会話不成立でも、二人だけの共感的世界がある?

会話不成立でも、二人だけの共感的世界がある?

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

施設内に暴言・暴力、徘徊という問題行動のある利用者Aさんがいらっしゃいます。

その方は、私だけではなく他利用者やスタッフにも、

バカヤロー!大バカヤロー!」と叫ぶのです。

初対面の人でも同様です。

私がその方から少し離れただけでも、すぐに近くにいる人を探して近づき、「バカヤロー」と叫びながら歩き回るのです。

何度か落ち着かせるために、「あと少ししたら、おやつですので、ここに座ってお待ちください。」と促しても、その場から離れ、「バカヤロー」と叫んだりします。

うーむ、困りましたね…。

ところが、ある日のことです。

利用者Aさんは、もう一人の易怒性のある利用者Bさんのいるテーブルに近づき(つまり、易怒性のある人同士)、なにやら二人で話しこんでいました。

すぐに暴言を吐く、あのAさんがイキイキとした表情をされていたのです!異様な光景でしたので、そっと立ち聞きしに行きました。

男穏やか

俺の息子、教授なんだよ。
自慢の息子なんだよ!

利用者女性穏やか

あたしの嫁さんは○○っていう名前なの。
とっても優しい子なのよ~!

男穏やか

息子は勉強好きで真面目な子なんだよ!

利用者女性穏やか

あれ、今何時かしら?

男穏やか

今夜も、息子、来てくれるかな?

利用者女性穏やか

あれ、ごはんまだかしら?

男穏やか

俺の息子、教授なんだよ。
自慢の息子なんだよ!

利用者女性穏やか

あたしの嫁さんは○○っていう名前なの。
とっても優しい子なのよ~!

会話中、同じ言葉を繰り返したりと会話が成り立っていない状況でしたが、いつも凄い剣幕で怒鳴りこむ、お二人の表情が本当に優しそうな表情をされていたので不思議でした。

会話が成り立っていないけど、二人でしか感じられない共感的世界というものがあったのでしょうか?

会話にならない会話が成立することで、易怒性の人同士に何かの友情が芽生えたのでしょうか?

ホント、人との出会いって何がわからないもんですね。

みなさん、共感的世界を見たこと、ありませんか?


最後までお読み下さりありがとうございました。
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