突然、利用者が嘔吐したら、まず何を?ノロウイルス発生?
職場のデスクを整理したら、ノロウイルスに関する記事が出てきました。まさに今の時期ですね!
これから春にかけて流行する感染性胃腸炎ですが、原因となる病原体はさまざまです。特にノロウイルスによるものが多いそうです。幸い私は一度もかかったことがありませんが、かかってしまった人の話を聞くと大変ツライとよく聞きます。
ところで、もし利用者が突然嘔吐した時の対処法をどのようのするのか?を頭に入っていますか?嘔吐物処理はノロウイルス感染拡大を防ぐための基本的な対策となります。
ここでは、嘔吐した時の嘔吐物の処理方法についてお伝えします。
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ノロウイルスの恐ろしさ
新聞によると、「急に胃腸がムカムカし始め、寒気を感じた。30秒から1分おき胃がキューと痛む。トイレで3,4回吐いた。」
突然の嘔吐や下痢は、ノロウイルス感染の典型症状のようです。「感染後1,2日で急速に増殖するが、吐しゃ物や便と一緒にウィルスが排出されれば、病気は終わり。脱水症状さえ気を付ければいい」と国立感染症研究所の人が述べます。
ノロウイルスが原因で亡くなるケースがあるようです。「命に関わることはまずなく、亡くなるのは、高齢者が吐いたものを喉に詰まらせた場合が多い。」とのこと。なお、集団感染が起きるのは、排泄物の処置が適切が行なわれていなかったことが原因とされています。
排泄物の処置に触れる機会が多いのは、介護職員さんでしょう。特に新人さんはマニュアルに目を通していないと、集団感染の発生につながるケースもあり得るでしょう。
感染予防の基本は、手洗い。インフルエンザや風邪も同様で、手洗いの励行が大切だと思います。みなさんも手洗いを特に意識して感染予防に努めてくださいね。
ノロウイルス対応セットを用意してある?
リハビリの最中に、利用者が当然嘔吐することだってあり得ます。実際に、嘔吐した利用者が何人かいました。
もし急に嘔吐してしまったら、その場にいるスタッフはまず何をするべきでしょうか?頭では分かっているつもりなのに、いざ行動となるとすぐに取りかからないスタッフがいるかもしれません。
まずは何をするんだっけ?
…と取るべき行動を思い出している間に、すでにノロウィルスが浮遊している!なんてこともあるので注意が必要です。
ノロウィルスに感染している人の糞便や嘔吐物の処理時に感染することがあります。冬季は乾燥しやすい時期ですので、処理後に乾燥して浮遊したノロウィルスを吸い込んで感染してしまうこともあるので油断できません。
嘔吐の処理方法の前に、ノロウイルス対応セットを用意しているのか?また当セットの所在はどこか?この2点を事前に確認しておくことが大切だと思います。事前に確認しておかないと、迅速に処理ができず、ノロウィルスが瞬く間に浮遊して他の利用者が吸い込んでしまう危険性があります。
なにせ空気感染が一番怖いですから…。
ノロウイルス対応セット
ノロウイルス対応セットにはどんなものがあるのでしょうか?
施設や病院によってはセット内容が異なることがあるかもしれませんが、基本は次のようなモノが用意されているはずです。
①カンファ水、または、家庭用塩素系漂白剤
②マスク
③ディスポグローブ(手袋)
④袖付きディスポエプロン
⑤ボロ布、または、ペーパータオル
⑥ゴミ袋
⑦バケツ
これらのモノが用意されているかどうか、チェックします。チェックするのは、恐らく感染管理委員会のメンバーでしょう。
経験の浅いスタッフや新人スタッフはノロウイルスに関するマニュアルを熟読してくださいね。
ちなみに今すぐに用意できる嘔吐物処理セットがありますよ。このようなセットが自宅に1つあると安心ですし、医療従事者以外の人でもできるでしょう。
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利用者が突然嘔吐した!まずは、何をする?
ここでは、嘔吐してしまった時の方法をご紹介します。
嘔吐物の処理方法
①利用者の安全を確認!真っ先に嘔吐物をティッシュやペーパータオルで覆い飛沫感染防ぐ。窓を開けるなど換気を十分に行なう。
※汚染場所に関係者以外の人が近づかないようにする。
※処理する人はノロウィルス対応セットから使い捨ての手袋やマスク、エプロンを着用する。
②嘔吐物は、使い捨ての布やペーパータオルなどで外側から内側に向けて、拭き取り面を折り込みながら静かに拭き取る。
※同一面でこすると感染を拡大するので注意!
③使用した布やペーパータオルなどはすぐにビニール袋に入れて、その上から0.1%塩素剤(またはカンファ水)を浸み込む程度に入れて消毒する。
④嘔吐物が付着していた床やテーブルなどは、0.02%塩素剤(またはカンファ水)を浸み込ませた布やペーパータオルなどで覆い10分ほど浸す。
※鉄などの金属は腐食するので水ぶきを!
⑤処理後は、手袋、マスク、エプロンを外して、使い捨ての布などと同様に処分し、内側を触らないようにビニール袋を縛り、医療廃棄物として処理する。
※袋の空気を抜き、できるだけ小さく処理する。
以上、嘔吐物の処理方法を紹介しました。
※流れ的には次の動画をご覧になればイメージしやすいかと思います。
袋をできるだけ小さくしないと、コストが上がることがあります。処理物は医療廃棄物用の段ボールに入れるのですが、隙間なく詰め込むと良いようです。医療廃棄物用の段ボールが多ければ多いほど、コストが上がってしまいますからね。
なお、嘔吐した時の利用者をどうするのか?についてですが、次の動画が参考になるかと思います。
紹介した動画を何度も見てイメージトレーニングし、もしものことがあっても慌てずにテキパキと嘔吐物処理ができるようになるといいですね。