作業療法士を目指す難聴・聴覚障害者へ。実習不合格になっても諦めない!

作業療法士を目指す難聴・聴覚障害者へ。実習不合格になっても諦めない!

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
ある難聴を持つ高校生から「難聴でもOTになれますか?」、またOT学生からは「実習で大変だったことは何ですか?」という質問を頂きました。※質問してくださってありがとうございます!このブログにてお答え致します。

高校生の人は何がキッカケでOTになろうと思ったのか分かりませんが、大変嬉しく思います!結論から言いますと、難聴でもOTになることは可能です!現に管理人以外の難聴や聴覚障害者でもOTとして活躍している方がいらっしゃいます。OTではないけど、ケアマネもいます。

ここでは、「難聴でもOTになれるか?」と「実習で大変だったこと」についてお伝えします。

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難聴や聴覚障害者でも作業療法士になれる!

難聴でもOT
まだ高校生ですから、今のうちに先輩OTから体験談や失敗談など話をたくさん聞いてはどうでしょうか?きっと「難聴でもできるかな?」と根拠の無かった自信が、「難聴でもできるぞ!」と自信に満ち溢れた気持ちへとに変わってくるかもしれません。
※私で良ければ、遠慮無く質問してくださいね。成功談や失敗談をご用意致しますから。

1点だけ厳しく言わせてもらうと、作業療法士の学校に通うようになったら、「自分は難聴者だ」という認識を捨ててください。一人の難聴者ではなく、一人の医療従事者として挑む態度を持つことが大切です。

現場に出たら、「自分は難聴なのでできなかった。」と言い訳にするのはできません。利用者や患者、スタッフに対して大変失礼ですし、言い訳ばかり続くと利用者・患者からすれば不安ばかり募ってきます。苦情が来るだけでなく、最悪な場合、別のセラピストに変えて欲しいと言われるケースもあります。(←新人の頃、実際にありましたよ)

他のセラピストと同じ条件で土俵に立っているので、「自分、難聴だから」と言い訳するのは現場では通用しないと思ってください。両者間のラポール形成を確実に作るならば、「自分は難聴です。」と事前にお伝えし、他のセラピスト以上に関わりを持つように心がければ大丈夫です!そんな経験を通してコミュニケーションのスキルが上達できましたから。

また難聴者は障害者の一人でもあるので、障害を持った人の立場に立って気持ちを理解できると思います。(←人の痛みの分かる人なら、なおさら!)

実習不合格になっても諦めない!


実は、私はリハ学生時代に実習先で不合格になったことがあります!懸命に頑張ったけど、私の努力を認めてもらえませんでした。8週間の実習期間ですが、4週目の終わりのフィードバック時にバイザーが私にこう言いました。

バイザー「耳が悪いなら、OT(作業療法士)に向いていない

さらに、こんなトドメを刺すような一言も。

バイザー「難聴の人でもできる仕事を探したら?

この一言二言を聞いて間違いなく、「これは終わったな…」と、不合格という字が頭をよぎりました。

残りの実習期間を自分なりに頑張ったつもりなのですが、バイザーは完全に私を違う目で見られ、結局、徒労に終わってしまいました。(もちろん評価やレポートの内容の出来が悪かったのもありますが。)

難聴の課題 欠点を補うには?

バイザーが実習最終日の前日に「難聴に関する課題を出しなさい!」と言われ、レポートを作成しました。
当時、作成したレポートの一部をコピペしましたので、これからOTを目指す難聴や聴覚障害者がいましたら、ご参考になれば幸いです。

これから臨床現場でOTRとして勤めることになるが、それまでに私にとって課題がある。
それは難聴である私がどうやって欠点を補えばいいのかを深く考え、行動していくことである。
以下、今回の実習を通して、やらなければならない課題の項目を挙げる。

情報力不足を補うために、視覚的情報をより多く取り入れること。

OT資格を持つようになると、難聴だからでは済まされないことがあるため、医療従事者として責任感を強く持つこと。

カンファレンスなどの会議の際に、重要な情報であれば議事録を拝借し情報を取り入れること。

OT協会から、自分の欠点を補うような情報を収集すること。

担当症例に予め難聴であることを伝え、聞こえなかったら聞き返すこと。

相手の言うことを鵜呑みにしないで、理解するまで話を伺うこと。

「目に見えるポジジョン」を常に意識すること。

文献「日本語の作文技術」を読んで覚えた知識を実際に生かすこと。

これらは、私にとって必要不可欠で価値のある課題であり、一人前のOTRになれるよう日々精進していきたいと考える。

改めて読み返すと、今の私は自分なりに解決できた?つもりです。ただカンファレンスや会議だけはどうも解決できません。聞きながら記録を書くという同時進行は大苦手です。聞いて理解するのに精一杯ですからね。管理人は感音性難聴で聞き取り能力が低下し発言内容を理解できないことがあります。

現代のコミュニケーション機器がとても発達しているので、上手に活用してみたいですね。例えば、誰かが発言した内容をiPadなどのモニター上にリアルタイムに表示されるようなアプリを使うとか。音声を文字表示に切り替えるような機器があると大いに助かると思います!

もし、そういう機器があるよ!とご存知の方がいましたら教えくてください。

さいごに

このように実習生活ではツライ経験をしました。あの時は結構傷つき、涙が枯れるまで悔し涙を流しました。実習同期のPTがいたけどホンマに迷惑をかけました。(H君、あの時はありがとう!)
でも学校の先生やクラスメート、家族に支えられ何とか卒業できました。本来なら留年のはずですが、学校側の理解もあって留年せずにもう一期の実習を受けることになったのです。2ヶ月間の実習を4ヶ所の実習先に行ったので、なんと8ヶ月間の実習期間…!
国試の勉強を始めたのが年末。他のクラスメートに追いつくために血眼になって受験勉強に挑み、一発合格できました!

現場に出てからでも、あの時の悔しさをバネにし今こうして”崖っぷちの難聴OT”として働いています。利用者や患者からキツイ言葉をかけられることもありますが、それでもハンデに負けずに立ち向かいます!

作業療法士への道、少しでも明るい希望の光が見えてきたらと、私はとても嬉しく思います。
ぜひOTを目指してください!応援してます!

最後までお読み下さりありがとうございました。
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