介助による車椅子の走行について
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
介助者が無言で車椅子を押し、急に動かされて「うわッ!」と驚く被介助者っていませんか?
「ちょっと何よ!」と叱られる介助者がチラホラ見かけます。
ここでは、介助者が車椅子を押す技術についてお伝えします。
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急に押し出すのはアカン!
車椅子を押す時の速さに、特に決まりはありませんが、通常の歩行速度よりもスピードを上げて車椅子を押す介助者が見かけます。
多忙な業務に追われ、早く済ませたい気持ちから来ているのでしょう。新人さんに限らず、ベテランの人でも見られます。
他に、急な発進や停止、急な方向転換など急な動作も一緒ですね。被介助者の意思とは無関係に介助者の一方的によって行われるため、被介助者側からすれば動きの予測がつかず不安を伴うと思います。
介助者から一言もなく、急発進されたら誰だって驚くし、怖い思いをされるでしょう…。ちょうど絶叫マシーン(ジェットコースターとか)のように不意に落ちたり向きが変わったりするのと似ています。
一度恐怖心を覚えてしまったら、スタッフへの信用性が失われかねません。
面倒でも丁寧に一つずつ声掛けを!
介助者がこれから行うこととする動作を、事前に被介助者に知らせるべきです。たとえ重度の認知症の人でも事前に各動作を知らせます。
重度認知症の人がたとえ記銘力低下が顕著でも、感情は残像のように残ることがあります。(感情残像の法則)
介助者に乱暴なケアをされたら「この人、乱暴するわねぇ!」と不快の感情だけが残ってしまい、今後、その介助者によるケアを拒否的言動が出てくるかもしれません。
※感情残像の法則についての記事は↓
みなさん、こんばんは。 崖っぷちのOT林です。 前回は認知症をよく理解するための9大法則・1原則の④まだら症状の法則をお伝えしました。 今日は⑤の感情残像の法則についてです。 ※認知症ライフパートナーのテキストと過去問を …
次のように、とにかく面倒でも丁寧に一つずつ声掛けていきましょう!
前に進みますね!
おう!
後ろに下がりますね!
はい!
段差がありますので、ガタガタしますよ~!
あいよ!
このように、これからの動作を事前に知っておけば、被介助者は動きの予測がつき、そのための気持ちの準備ができて不安や恐怖の軽減につながるはずですから。
建設現場でよく見かける、「指差し声出し安全確認ヨシ!」「はっきり合図!しっかり確認!」といった安全標語を記した横断幕がありますよね?
安全標語のように注意を徹底できたらいいですね。
とにかく、これから行う動作を一つずつ被介助者に情報提供していく姿勢を持つことが大切です!
押す前に被介助者の手足の位置確認を!
これから行う動作を事前に被介助者に伝えることは大切ですが、安全面を確認していますか?
なかでもトラブルが多いのは、上下肢!
上肢の場合、被介助者がハンドリムやタイヤを握っていると危険です!
絡まって手指が怪我する可能性大です!
下肢の場合、フットサポートに乗せていないことに気付かずに押してしまうと、どうなるのかを想像できますか?
足首が捻って怪我したり、フットサポートの接触で傷をつけられ大出血があったりと、そんな事故があったとよく耳にします。
意外と見逃してしまうのが、ずっこけ座り(仙骨座り)!
ずっこけ座りは浅座りの状態ですから、座り直し介助せずに車椅子を押すのは危険です!
浅座りの状態で急な発進や停止、方向転換など急な動作を取ったら、どうなるのかを想像できますか?
例えば、まがり角や急なカーブで車椅子を操作すると、遠心力の働きで被介助者が座面から飛び出そうと転落リスクがあります。
急な停止が原因で被介助者が前方へと体重がかかるので、座面から転落するリスクが高まります。
車椅子の走行の前に、「一つずつの声掛けと手足の安全確認、そして座位姿勢」を忘れずに!
最後までお読み下さりありがとうございました。
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