なぜ介護予防が必要?
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
今日も生憎の雨。
ニュースでは、「東京都心は8月1日から16日連続の雨で、8月としては22日連続の雨を記録した1977年以来、40年ぶりのこと」だそうです。
せっかくの夏が…。
さて、今日の話は「介護予防」です。最近、地域リハに力を入れている事業が多いですね。
各機関誌でも地域リハビリについて取りあげられる機会が増えてきました。その影響下か、病院や施設というフィールドだけでなく、地域リハに携わる作業療法士も増えてきました。
訪問リハビリがその一つですね。
誰だって住み慣れた地域で生活したいものです。そのため各市区町村が介護予防や未病対策に力を入れています。
ここでは、「地域支援事業と介護予防の必要性」についてお伝えします。
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地域支援事業って?
地域支援事業は平成18年改正において創設、高齢者が住み慣れた地域でその人らしく生活できることを目的に、市町村が主体となって実施。
<改正前の地域支援事業>
①介護予防事業
②包括的支援事業
③任意事業
※介護予防事業の枠に、平成24年改正により「介護予防・日常生活支援総合事業」創設。そのような事業が創設された背景には、やはり認知症の人数が増加傾向にあるからでしょう。
適度な運動を習慣づけることが、認知症の予防に有効であるという近年の報告がありました。
<改正後の地域支援事業(平成29年度末迄)>
①総合事業(介護予防・生活支援サービス事業 + 一般介護予防事業)
②包括的支援事業
③任意事業
※平成27年改正により、「介護予防事業」→「総合事業」に。
※介護予防・生活支援サービス事業の対象者:要支援1,2と基本チェックリストによる判定で要介護リスクが高いと判定された人を対象。
※一般介護予防事業の対象者:すべての高齢者が対象。例)介護予防体操教室など
※基本チェックリストとは、地域支援事業において、要介護認定で非該当(自立)の人や要介護認定を受けていないが、要介護になる可能性が高いと見込まれる人を対象にして判定する。
介護予防とは?
介護予防とは、高齢者が要介護状態にならないように予防することを言います。
要介護状態になっても、これ以上悪化せずに改善していくことも介護予防の意味として捉えています。
なぜ今の時代に介護予防が必要なのか、その背景を知ることで介護予防の重要性が見えてくると思います。
自分が将来、自分が高齢者になった時のことをイメージして欲しいのですが、年を取ってもイキイキとした生活を過ごしたいはずです。
でも、「認知症」や「寝たきりや車椅子生活」という老いへの不安も抱くかもしれません。
誰だって心身ともに健康で、住み慣れた地域で自分らしく暮らしたいものです。
最期の時も、長年住んでいた自宅で大切な家族に囲まれ、安らかに死を迎えたいでしょう。
イキイキとした生活が送るには、介護を必要としない健康な心身をいつまでも続けることです。
ずっと介護を必要とする状態にならないこと、また老化によって低下した心身の機能を再び取り戻すために登場したのが、介護予防です。
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なぜ今、介護予防が必要なのか?
今、なぜ介護予防が必要なのかを考える前に、なぜ介護を必要とする状態に至るのか?
今でも要支援や要介護の人が増加傾向になり、その要支援の人も、将来、要介護状態になる可能性も高いでしょう。
ちなみに、介護が必要な人って、どんな人が多いと思いますか?
介護が必要となる原因は、次の2つ。
- 脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)
- 筋骨格系(大腿骨頚部骨折など)
65歳以上の方が介護を必要とする状態に至る原因としては、①生活習慣病である脳血管障害、②高齢による衰弱、転倒・骨折、関節疾患といった筋骨格系の2つです。
たとえ健康的な人でも65歳超えると何かしらの危険な老化のサインが潜んでいます。
したがって、中年期では生活習慣病の予防と高齢期では老年症候群の予防を早期発見して適切な対策を講じないと、将来、介護を必要とする状態にやってきます。
高齢者には「元気な高齢者」、「虚弱な高齢者(要支援)」、「要介護高齢者」という3つのパターンがあるけど、介護予防はリハビリの観点からどのパターンでも必要となります。
今後も高齢化率(65歳以上の高齢者が総人口に占める割合)は上昇を続け、2055年には国民の2.5人に1人は高齢者となる見込みです。(※平成19年版高齢社会白書より)
いつまでもイキイキと自分らしく生きること、それを実現するための大きな手だてとして介護予防が大きな意味を持っています。
介護予防は、高齢期だけでなく若い時期からも健康づくりに励み、何らかの病気や介護の必要な状態にならないための予防に取り組むことです。
それを後押しするのが、介護予防運動指導員の使命です。
介護予防に必要な3つの要素
東京都健康長寿医療センター(旧東京都老人総合研究所)などの調査研究では、「75歳以上の後期高齢者においては、要介護状態に陥る兆候や原因が潜んでいることが分かってきた」とされています。
原因には、次のようなものが考えられます。
- 運動機能低下
- 低栄養
- 口腔機能低下
- 転倒
- うつ
- 失禁
- 閉じこもり
- 足のトラブル
- 生活機能低下
実にたくさんの項目が挙げられていますが、特に重要なのが、低栄養と口腔機能低下と運動機能低下の3つの要素です。
この3つの要素の向上や改善が介護予防を実施するのに欠かせない鍵です。
特に、低栄養の改善に力を入れるできでしょう。
当然かもしれませんが、きちんと食事を摂らなければ体力も筋力も身につかず、結果的には生活に対する意欲が失せてしまいます。
低栄養の問題点を早急に改善することが、介護予防を図る上では最も重要なことです。
イキイキとした生活を暮らし続けるには、以下の3点が大切なポイントです。
自分で外出することができるか?
バスや電車などの公共機関を利用できるだけでなく、買い物もできなければならない。
食事の用意を自分でできるか?
食材を自分で選び、調理することもできなければならない。
金銭管理ができるか?
お金の計算ができると、認知症の予防にもなり、オレオレ詐欺などの振り込め詐欺に遭わないようにする。
これらの3つのポイントを考慮に入れながら効果的な介護予防のプログラムを展開していくことが大切だとされています。
さいごに
介護予防と聞くと、高齢者が要介護状態にならないように予防すると思われがちですが、それだけでなく要介護状態になっても、これ以上悪化せずに改善していくことも介護予防の意味として捉えています。要介護状態に陥る背景を知り、介護予防、リハビリのそれぞれの観点を持って、住み慣れた地域で生活できるようにアプローチするのが、生活支援に強い作業療法士の存在が欠かせないと思います。
最近、私もそうですが、介護予防運動指導員の資格を目論んでいるセラピストが増えていますね。地域リハビリに興味がある人は、まず介護予防運動指導員の資格取得を目指してみては?大変勉強になりますよ!
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