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高齢者の塗り絵によるリハビリ効果は?

レクや作業療法の一環として「塗り絵」を取り入れている施設が多いと思いますが、「塗り絵って何が良いの?」と塗り絵ならではの効果を言えるスタッフはどれくらいいるのでしょうか?

「塗り絵をやりましょう。」と図柄を渡された対象者は「ハッ?子どもじゃないんだから!」と言われたことはありませんか?

「暇つぶしのため」とか「離床時間を長くするため」に提供するのは施設側の都合であって、本人の意志を尊重していないことになります。

なので、塗り絵を行うことによってどんな効果が得られるかを明確に伝える必要があるかなと思います。

シャキ!

ここでは、高齢者が行う塗り絵によるリハビリ効果は何か?をお伝えします。

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高齢者が塗り絵を行うとどんな効果が?


塗り絵は細かな作業ができるように訓練として取り入れるのも一つです。例えば指先の機能低下で細かな作業ができないのであれば、塗り絵を治療的媒体としてプログラムに組み込みます。

では、指先の機能に問題のない対象者に「塗り絵がもたらす効果」をどう説明したらいいのでしょうか?うまく説明できないと、「バカにしてるのか?塗り絵は子どもが遊ぶようなもんだろ?」と言われるかもしれません。

塗り絵がもたらすリハビリ効果

塗り絵によるリハビリ効果を大きく挙げると、次の通り。

塗り絵のリハビリ効果

・手先の機能向上
・脳の活性化(認知症の予防)
・BPSD(認知症高齢者の行動・心理症状)の軽減
・社会的、心理的効果

対象者の置かれた生活背景や環境に応じて、塗り絵を導入する訳をうまく説明できたらいいですね。

指先は「脳のアンテナ」と言われるほど、多くの神経があり脳に直結しています。指先に全部の意識を集中させて動かすことは、脳(前頭前野)の活性化につながります。

塗り絵の提供により、BPSDの軽減につながったと文献があります↓

塗り絵が実施された際、表情が柔和になっていた。安心感と達成感をもたらしたと予想された。レクリエーションの時間におけるBPSDの出現は認められなかったことから、BPSDの改善効果があると考えた。塗り絵を含む作業活動は認知症の非薬物療法として、BPSDの改善効果が示されている。

自律神経を整えてリラックスを得られる心理的効果、他者と塗り絵をしながらの世代間交流とか社会活動参加という社会的効果が得られることです。

塗り絵は脳を活性化させる!


塗り絵は単に彩色すれば良いものではありません。実は、塗る前からすでに脳は働いているのです!

次の塗り絵の工程を見ると分かるのですが、脳が働いていることが分かります。

提供された図柄(例:紅葉)を塗るためには?
①図柄を見る(後頭葉
後頭葉にある視覚野で、図柄の全体像や色、形など認識する。
例)「うむ、この絵は紅葉やな!」

②色を選ぶ(側頭葉
側頭葉にある部位は、自分が過去に見た形や色など記憶や経験と照合し、配色を考える。
例)「そういや昔住んでいた家の近くに紅葉がいっぱいあったな!あの時の葉っぱの色は赤?黄色?」

③塗る作業(前頭葉
前頭葉にある部位は、これまでに得られた情報を分析し、色鉛筆を手に持って着色する。
例)「どこから塗ろうか?まず右側にある葉っぱから塗ろう!」

このように、塗り絵の図柄を見て、まず記憶を思い起こし、自分の過去の記憶や体験を基に色を選定。塗る作業時でも、「どこから塗るか?」「線からはみ出さずに集中する」「グラデーションをつけるための筆圧の加減」など、脳の機能をフルに回転させます。それが脳全体の動きを活性化させるわけですね。

塗り絵は脳全体に刺激を与える活動ということですね。

折り紙でもOK!

塗り絵が嫌なら、折り紙を提供してもいいですね。
折り紙も脳の前頭前野を活性化させるという研究で分かっています。東北大学の川島教授の話によると、

(折り紙を)考えながら折る、楽しみながら折る、出来あがりを予想しながら折る、こうした折り紙を折るという作業の一つ一つが、脳に素晴らしい効果をもたらしているのです。

塗り絵においても、「考えながら塗る、楽しみながら塗る、出来上がりを予想しながら塗る」というように、「折る」を「塗る」に置換しても同じことが言えると思います。指先を動かすだけの運動では脳が活性化されないので、自発的に取り組んで楽しむことが重要です。

塗り絵を楽しんでもらうような雰囲気を作り出すには、セラピスト側の力が欠かせません。

普段の生活上、習慣化となっている指先の運動、例えば、包丁を使う、手紙を書く、キーボードを打つなどのような運動はあまり脳の刺激にならないそうです。習慣化となっていない折り紙や塗り絵のような指先の運動を提供したほうが、脳にはいいんですね。

対象者の好きなアクティビティ、もしくはチャレンジしてみたいアクティビティにはモノを作る喜びが伴いますので、自分の手を動かして楽しむことができるはずです。結果的に、脳は指先の繊細な末梢神経と連動して集中力を発揮して大いに活性化するのではないかと思います。

塗り絵の特徴

塗り絵の良い所は、何だと思いますか?

塗り絵ならではの特徴

・競争意識が働かない。
・高等な技術は不要。
・すでに輪郭があるので、あとは色を塗るだけ。
・図柄と色鉛筆さえあれば、どこでもできる。

塗り絵は図柄が決まっている構成的作業の一つで、取り組みやすいと言えます。

塗り絵を取り入れる時の注意点


大人のための塗り絵」という雑誌があるのですが、あれは非常に細かな描写で難易度が高度です。対象者のレベルを考慮せずに難易度の高い図柄を選択したら、思うように彩色できずストレスが発生するかもしれません。

最初の導入段階に、自己効力感や達成感を体験してもらうためには、シンプルな図柄も用意したほうがいいでしょう。塗り絵に取り組む時の対象者の様子や完成度を見て、次回は対象者のレベルに応じた図柄を選択するといいですね。

できたら図案選びは対象者の判断に任せるといいでしょう。図柄選びは対象者の主体性の尊重につながります。

なかには子ども向けのを提供すると、プライドが傷つき拒否する対象者もいるかもしれません。そこはセラピスト側の介入次第によりますが、基本は対象者のレベルに合わせて図柄を提供することです。主体はあくまでも対象者にありますからね。

当然のことですが、作品への批評は決して行わないように!

無料でゲットできる塗り絵用の図柄

ここでは、図柄を無料でダウンロードできるサイトをいくつか紹介します。

いずれも無料でダウンロードできます。MY介護の広場は登録が必要ですが、無料なので安心してくださいね。

まとめ

塗り絵は単に塗るだけの作業ですが、実は、塗る前から脳全体を動かしているので、認知症の予防やBPSDの軽減、リラックス効果が期待できます。

細かな作業を好まない対象者に「脳に良いから、やってみませんか?」と義務感でやって頂くのは良いとは言えません。大切なのは対象者に「塗り絵を行う目的」を説明し、取り組むかどうかは対象者の判断に委ねることです。

もし取り組んでくださるのであれば、楽しい雰囲気を醸し出すようにセラピスト側が環境設定を行うようにします。完成した作品は自室に貼るか、作業コーナーに展示するか、マズローの欲求階層説のいう「自己実現の欲求」と「承認の欲求」を満たされるように仕掛けるといいですね。

最後までお読み下さりありがとうございました。
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