R.O.(リアリティオリエンテーション)法で脳の活性化を!3のRを入れよう!

R.O.(リアリティオリエンテーション)で脳の活性化!

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

管理人が作業療法士としての新人だった頃、老健で「男性クラブ」を毎週実施していました。男性クラブとは、認知症、物作りに興味がない、発言量が少ない・刺激の乏しい男性がメンバーとなり、日付や年齢、ゲーム、歌などコミュニケーションを深めるクラブ。

R.O.法をご存知でしょうか?これはリアリティ・オリエンテーション(現実見当法)と言い、認知症に使われる治療的接近の一方法です。認知症対象となっていますが、認知面に問題のない人でも取り入れています。
3つのRを意識したプログラムメニューに沿って展開すると良いそうですよ。

シャキ!

ここでは、リアリティオリエンテーション(R.O)について話したいと思います。

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3つのR


管理人は3つのRをなるべくメニューに組み入れるようにしました。
3のRとは、次の通り。

Reality Orientation(現実への方向づけ)
→見当識や現実認識を深める!例えば、今日の日付やスタッフの名前、利用者自身の名前や年齢など。

Remotivation(再動機づけ)
→ゲームや歌、映像や写真を通して他者との交流を促し、社会性や興味・関心を呼び起こす!

Reminiscing(回想)
→あるテーマを決め、他利用者とのコミュニケーションを通じて記憶や思い出を回復させて有能感を促す!また、他利用者とのコミュニケーションを深め、横とのつながりを強化します。

なるべく五感への刺激を与えるようにと、管理人はパソコンを通して映像や写真、音楽を流しました(今の私だったらタブレットを使うかな?)パソコンのモニターでもなく、家庭用のテレビでもなく、スクリーン(プロジェクター使用)で!

デカイ方がインパクトありますし、なにより覚醒度↑につながります。視覚から得られる情報量は約80%と言われてますからね。昔の映像や写真は視覚に訴える効果は、聴覚に訴えるよりも絶大です。

資料集めですが、当時は、自宅でネットから拾いました。今はスマホやタブレットが普及しているお陰で、資料を集めるのに便利になっていると思います。

職場にネットできる環境であれば、必要な情報だけをゲットできるので、準備がしやすいでしょう!You Tubeでは検索すれば欲しい情報がたくさん出てくるので、とっても便利です。
新人の頃は、ネット環境が不十分で、資料の準備に必要な情報を集めたり編集したりといろいろと大変でしたが。

リアリティオリエンテーションのポイント

3つのRを意識していれば、参加してくださっている利用者は楽しんでくれます。

映像や音楽、写真の中には、昔を思い出すのに必要なヒントがたくさん隠されています。このヒントがキッカケで、過去の経験を引き出し、現在への橋渡しとします。
「自分はこういう人だ!」とか「自分は今ここにいるんだ!」、「あの時の自分はこうだった!」など、自分からドンドン話してくれるようになります。いわゆる自発性を引き出すことですね。

こんな事例がありました。
昔の映画の俳優さん」をテーマにしてR.Oを展開した時のことです。メンバーであるAさんは、車椅子生活でズッコケ座り、一言もしゃべらない方でした。

スクリーン上に映り出す女優さんが出てくると…、

自力では体を起こせないはずのAさんは、目を輝かせて自力で前に乗り出す状態で女優さんを凝視したのです!

「◯◯ちゃんだ!!あの時はキレイだったな!」明瞭な言葉で話してくれました。”あの時”と発言があったので、間違いなく「過去」と「今」を区別できていました。

いやぁ、あの時は驚きましたよ。まさか、体幹を起こすほどの腹筋の力が残っていたとは…。
3つのRを上手に活用することで、普段とは違う利用者さんの奇跡な瞬間を目の当たりにするかもしれません。

さいごに

集団体操やアクティビティを進行する側としては、どうしても一方的になりがちです。利用者が主役ですから、利用者の主体性を大切にしたいモノです。
なので、R.O.法で利用者からの言動を引き出すように心がけています。

利用者の意外な一面を見られたりすると、今後のリハビリを行う上で参考になると思います。
※Aさんが気にしていた女優さんはS.Yさんです。若い時はホンマにキレイでした。あ、今でもキレイですけどね~!

最後までお読み下さりありがとうございました。
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