高齢者のPEM(低栄養)とは
今となっては馴染んできた低栄養(PEM)
ところで低栄養(PEM)状態とは、どんな状態なのかをご存知ですか?

PEMとは、「人間が生存するのに必要なタンパク質と活動するためのエネルギーが不足した状態」だそうです。

ちょっと古いデータで恐縮ですが、厚生省「高齢者の栄養管理サービスに関する研究」によると、「介護療養型施設の入居者の男性42.8%女性39.4%の割合で低栄養状態にある」とのことです。

低栄養状態に陥ると、感染症や合併症の誘発、症状の回復が遅れ施設滞在日数の延長、さらに、医薬品使用が増え医療費の増大、ADL低下、余命の減少など…マイナスな要素ばかりが一方的に増えることが分かっていますね。
男女とも増加傾向にあり、低栄養状態を早急な改善が望まれているのです。

ここでは、低栄養(PEM)のスクリーニング方法と種類について簡潔にまとめてみました。

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低栄養状態スクリーニングは?

低栄養状態をスクリーニングする方法には、以下の3点あります。

①血清アルブミン値の測定


アルブミンは血漿タンパク質の約60%を占め、タンパク質の栄養状態の指標として用いられています。

血清アルブミン値:正常範囲3.5~5.0g/dl

3.5g/dlを下回ると低栄養状態の中等度リスクとする。2.8g/dlを下回ると浮腫が引き起こされる。

※私のコメント→血清アルブミン値はカルテに記載されてあると思うので、確認した方が良さそうですね。

②体重減少率

・体重減少率=(通常体重-現在の体重)÷通常体重×100
※通常体重usual body weight(UBW)とは、6~12ヵ月間安定している体重のこと。

体重減少率が1ヵ月に5%未満、3ヵ月に7.5%未満、6ヵ月に10%未満の場合、PEMの中リスク、減少率がこれ以上の場合には、高リスクと判定。

・BMI=体重(kg) ÷ ( 身長m × 身長m
痩せや肥満の指標として体格指標body mass index(BMI)が用いる。BMIが18.5未満であると「痩せ」と判定。

③一般的な観察

全体的な印象→極度に痩せていて、ぐったりしている。食欲の減退、無表情、意欲の低下がみられる。
皮膚→滑らかさや良好な色調を失い、色が黒ずむ。
→薄く、もろく、くぼむ。
頭髪→もろく、脱色がみられる。
→乾燥や舌苔、舌乳頭が委縮して舌の表面が滑らかになる、味覚・嗅覚の低下が起こる。
四肢→浮腫がみられる(心不全、腎不全、肝不全、重度低栄養を検討)

④上腕周囲長・下腿周囲長の測定

上腕周囲長

上腕周囲長は骨格や内臓、筋肉などの総和を反映している。体脂肪量と筋肉量の指標として用いられている。
慢性的に栄養状態が低下していく場合、血清アルブミンより先に上腕周囲長が減少していく傾向がある。

下腿周囲長

下腿周囲長は体重減少率との相関が高く体重の測定が困難な場合など有用とされている。

 

低栄養の種類は?

PEMには、タンパク質とエネルギー状態の組み合わせにより3種類に分類されます。

①クワシオコル型

生理的ストレスや疾患、外傷がある場合に代謝が亢進して引き起こされやすい。特徴としては、体重の減少はあまり見られずに血清アルブミン値の低下が見られる。

②マラスムス型

生理的ストレスや疾患などない状態で、食事からのエネルギーとタンパク質の摂取が長時間にわたって不足したときに陥りやすくなる。特徴としては、血清アルブミン値の低下はわずかで、筋肉や脂肪が落ちてきて体重が減少する。

③マラスムス・クワシオコル混合型

生理的ストレスからタンパク質の栄養状態は低下し、さらに慢性疾患から食欲が落ち、食事からのエネルギーとタンパク質補給量が低下する。特徴としては、筋肉や脂肪が消耗し、体重が落ちてアルブミン値も低下する。入院高齢者に多い

 

低栄養の問題

突然ですが、次の2つの問題に挑戦しましょう!

問題1:次の文章はPEMについて説明したものである。不適切なものを1つ選べ。

1.PEMの原因は、義歯の不具合、歯数の減少も影響する。
2.PEMの原因は、心労が重なって食欲が低下することなども影響する。
3.クワシオルコルは、たんぱく質が慢性的に欠乏した状態である。
4.マラスムスでは、体重減少はみられず血液中のアルブミン量が少なくなる。
5.PEMは、必要な量の栄養補給を十分に行えば、あまり起こらない。

 
問題2:病院や施設に入院・入所している高齢者が陥りやすいのは、PEMの3種類のうち、どれか?
①クワシオコル型
②マラスムス型
③マラスムス・クワシオコル混合型
 

正解は↓のほうへ。
 

 

 

 

 

 

 

問題1の正解:
4:マラスムスではなくクワシオコル。

問題2の正解:

 
最後までお読み下さりありがとうございました。
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