アクティビティ（作業活動）は我を忘れてしまうような心の状態に導く療法！
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です（@tyahan56)
ところで”作業療法”の英語、どう書くか覚えていますか？
Occupational Therapy
ここでは、作業療法におけるアクティビティについてお伝えしたいと思います。
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作業療法とは？
作業療法は Occupational Therapy(OT）の和訳となります。
Occupationは通常従事、仕事、職業、占有などと訳し、動詞であるoccupyには「占有する、費やす、人の注意をひきつけておく」といった意味を持っていますが、作業活動を通して、利用者を虜にする、占有するための何かを仕掛け、利用者が今取り組んでいる作業に我を忘れるほどの心の状態に導くことがOTの使命かなと思います。
心の状態に導くのがOTという言葉は恩師から聞いたもので、今でも忘れずに大切にしています。
割り箸モザイクや籐細工などアクティビティを通して、利用者みんなをOccupation（占有）できるように、これからも全力を傾注したいと思います。
作業療法における作業活動の特性
作業活動の特性には、図のようにいろいろあります。
これらの特性を活かし、対象者の手で物や道具を扱い、五感を働かせ、何かを行ったり物を作ったり、表現できるように働きかけています。作品の完成度云々というよりも、むしろ作業活動を通じてリハビリしてゆく、作る過程が最も重要な要素であると捉えています。
アクティビティの治療的効用
作業療法の媒体としての作業活動の治療的効用は、大きく分けると2つに分類します。
私たちが自分らしく豊かに生きるための必要な作業活動を、病気などで行えなくなった時、それらをできるようにするために作業活動を用いています。
そして、自身の意欲を湧き立たせることも治療的効用が含まれています。
OT協会の元会長 杉原素子先生のことを覚えていますか？杉原先生は、作業療法のことを「作業療法の媒体としてのアクティビティの治療的効用」と話されています。
私たち作業療法士なら、肝に銘じたい言葉です。
せっかくなので、ここに杉原先生の記事を紹介します。
※OT協会ニュース（2007年1月15日）のトップ面より。
ふと気がついて、作業療法の現場をみつめてみると、作業療法の媒体としてのアクティビティの治療的効用を語る声が小さくなってしまったと思わさせられます。作業療法の治療媒体である作業活動の治療的効用を語らずして、学生達に作業療法士としての自負心を抱かせることはできないように思います。
（略）
もう一度作業活動の治療的意味に還ってみませんか。作業療法にとってずっとこの先も伝えて行かなければならない技術の一つが、その人自身の意欲を沸き立たせる”作業活動の治療的効用”であり、そこにはその人のこれまでの生活やこれからの生活につながる効用もあるはずです。
実は、私が新人の頃、アクティビティ活動をあまり取り入れませんでした。まさに杉原先生のおっしゃる「作業療法の媒体としてのアクティビティの治療的効用を語る声が小さくなってしまった」ですね。
新人だから仕方がないとはいえ、利用者の身体機能が少しでも改善すべく身体機能面ばかりにアプローチしていたように思います。
でも杉原先生の記事を読んだお陰で、「作業活動の治療的効用」のことを強く意識するようになりました。作業療法の素晴らしさは、全てアクティビティにあります。
作業療法の原点を決して忘れてはならないですな！
さいごに
私のメモに、こんなことが書いてありました。
恐らく学生時代に、何かの文献から引用して書き込んだと思います。当時はただの学生の身分でしたから意味が全くわかりませんでした…。でも今は理解できます。
アクティビティに取り掛かるのは、言葉で葛藤やトラウマなどを表現しにくい患者や利用者に特に有効だと思います。
分かりやすい例で言ったら、怒りを表に出すのが苦手な人に対して、広告紙を思いっきり破ったり、釘をハンマーで思いっきり打ったりと怒りのエネルギーを外に発散させて気持ちを落ち着かせる。
作業のプロセスを経て最終的に自分への自尊心を高める、というのが治療的手段として作業（アクティビティ）を用いるわけなんですね。
このメモのお陰で、アクティビティは人の力を最大化するマネジメントがあると実感できました。
最後に、管理人の好きな言葉を紹介しますね。この言葉を合言葉にしてアクティビティに取り組んでいます。
それが人間の幸福についての条件であるBy Galen
最後までお読み下さりありがとうございました。
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