運動療法は転倒予防に効果なし?
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
以前、介護予防運動指導員の養成講座「転倒予防特論」を受けましたが、改めてテキストを読み直しました。
テキストが結構分厚いので、さすがに読破するのは困難ですが…。
ここでは、転倒予防特論に関して、講師が「ここは大事!」と指摘した点を紹介したいと思います。
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講師が「ここは大事!」と指摘した点
以前、受けた養成講座において、特に講師がぜひともチェックしておきたい点を教えてくださいました。
ここに参考になった点をご紹介しますので、ぜひ現場で活かしてくださいね。
転倒予防特論
高齢者は1年間で約10~20%が転倒し、そのうちの約10%が骨折に至る。大腿骨頚部骨折の原因は80%以上が転倒。
骨折にならくても、転倒を経験すると移動の自信を失う転倒後症候群を生ずることがある。
※転倒後症候群…激しい転倒恐怖感による歩行障害。
転倒の定義
転倒の定義→「自分の意志ではなく、地面またはより低い場所に、膝や手などが接触する」
転倒の危険因子
・内的因子(身体的疾患、薬物、加齢変化)と外的因子(物的環境)がある。
加齢変化においては、最大筋力低下と平衡機能低下により歩行能力の低下につながりやすい!→筋力低下は転倒の危険因子になりやすい!
・外的因子…家庭内での高齢者の不慮の事故で、もっとも多い事故状況は転倒であり、全体の60%以上を占めている!
転倒予防対策
転倒予防に用いることができる改善可能な危険因子は、次の4点。
①視力障害
②鎮静剤や降圧剤などの薬物服用による副作用
③筋力低下に伴う身体活動の低下
④家屋内外の物的環境の整備
※薬剤服用の副作用が原因で転倒することが多い↓
薬剤が原因で高齢者が転倒を?どんな薬がある? みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56) 今日は転倒を生じやすい薬剤について紹介していこうと思います。 高齢者の転倒は加齢に伴う身体変化によって危険性 …
転倒危険因子改善の研究成果
【地域在宅高齢者に対する介入効果は?】
・運動強度の点でみると、高強度な下肢筋力強化が有意な効果あり。
筋力+バランス能力+歩行能力向上を併用した運動介入も有意な効果あり。
・15週間の太極拳も有意に転倒予防効果あり。
【病院、施設入所高齢者に対する介入効果は?】
・明確な介入効果が確認されたものは少ない!
これは在宅高齢者に比べ、虚弱化が進行していることや転倒の危険因子となる慢性疾患が背景にあるなど、介入の効果が出現しにくい状況にあるため。
・PT(理学療法士)による個人の状態に応じた運動療法を4ヵ月間行い、転倒予防の効果を分析したが、移動能力に改善が認められたものの、転倒予防に効果は認められなかったと報告あり。
・筋力増強練習と歩行、自転車エルゴを用いた有酸素運動の練習を2年間にわたり実施したが、転倒予防効果は得れなかった。
・太極拳を用いたバランス練習を2年間実施した結果、これも転倒予防効果は認められなかった。
※在宅高齢者の人であれば太極拳が有意な効果があるようです。
・バランス練習と低強度の筋力増強練習、リラクセーションとの組み合わせにおいても転倒予防効果は認めれていない。
※施設入所に対しての転倒予防効果は地域高齢者に比べ、なかなか得られにくいことが分かりました。低強度ではなく、高強度に設定した筋力増強練習でないと転倒予防に繋がらないわけですね。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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