オノマトペはリハビリに役立つ?「よいしょ!」を言う人は年寄りか?

オノマトペはリハビリに役立つ?「よいしょ!」を言う人は年寄りか?

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

よいしょ!」という言葉をよく使いませんか?

立ち上がる時やモノを持ち上げる時に「よいしょ!」と思わず発すると思います。
管理人もその一人で、掛け声を出したほうが楽なんですよね。

リハビリで立ち上がり練習や下肢筋力強化運動を行う時、対象者になるべく掛け声を出すようにと促しています。
握力測定する時も「思いきっり力を出すためにも掛け声を出してくださいね」と声かけると、ほとんどが「グゥーッ!」とか「ン~ッ!」と発声します。

そのような発声はパワーを喚起する作用があるので、握力測定の数値が上がりますよ。
なぜなら声を出すと力が出やすいんですよね。

シャキ!

ここでは、リハビリに役立つオノマトペについてお伝えします。

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オノマトペ

スポーツオノマトペってご存知でしょうか?
主にスポーツをはじめとする身体の動きのリズムを伴う声(オノマトペ)のことをいいます。

オノマトペはフランス語で、意味は擬音語、擬態語のことです。

スポーツオノマトペの機能と効果

スポーツオノマトペは大きく分けると「情報伝達機能」と「運動パフォーマンスの向上機能」があります。

藤野良孝著「一流が使う魔法の言葉」によると、

情報伝達機能
伝達効果
①言葉にするのが難しい複雑な動きや微妙なニュアンスを簡単に説明できる。
②記憶に残りやすく、フォームの改善や定着に効果が大きい。
③指導相手の個人や集団との意思疎通がよくなる。
運動パフォーマンスの向上機能
身体的効果
①パフォーマンス②スピードアップ③運動生後④リズムアップ⑤タイミング
精神的効果
①リラックス②モチベーション③メンタルリセット④自己暗示⑤威嚇・挑発⑥メンタルモデル

ゴルフで球を打つ時に使う「チャーシューメン」が有名でしょう。それは打ち急ぎを防ぐために、リズムよくスイングするのに出てきた言葉です。
これも伝達効果の一つとされています。

よいしょ!は無意識に使ってる?


ところで、「よいしょ!」はオッサンやオバサンが使う掛け声だと思いますか?

若い人が「よいしょ!」というと、友人に「オッサンか?笑」「おいおい!まだ若いやろ?」と言われたことありませんか?

いいえ!そんなことはありません。
実は、私たちが子供の頃から使っていたんですよ!

幼稚園や小学時代に、先生が子供たちに押す、立つ、掘るなど動を教える時に「よいしょ」という言葉を使っていたのです。

幼少時代に身についたものが大人になっても残り、立ち上がる時やモノを持ち上げる時に遭遇すると無意識的に「よいしょ!」と声が出てしまうのです。

だから、オッサンやオバサンだけが使う言葉ではないんですね。

なかには「年寄り」と思われたくないから、敢えて掛け声を使わない若者が多いと思います。

でも力仕事をされている人は、周囲の人がなんと言われようが、遠慮なく掛け声を出したほうが怪我防止につながると思います。

特に介護の仕事をされている若い人は、腰痛など怪我防止のためにもぜひ掛け声を出してみてください。
グッ!」とか「グ―ッ!」だけでも効果あると思います。

このように「よいしょ!」に限らず、普段の生活の中で無意識に使っている言葉があると思います。
心あたりありませんか?

よいしょ!の声と運動は連動している!?

藤野良孝著「一流が使う魔法の言葉」によると、

」(準備段階)
」(力を入れる段階=運動過程)
しょ」(運動を終える段階=フィニッシュ)
」(タイミングに応じて使う)

よ(っ)」という声はココロのモード、気持ちのスイッチを入れ替えるのに適しています。友人に会った時に「よっ」とか「よー」といって挨拶しますね。また「よっ、元気」、「よっ、久しぶり!」など、会話に入りこむスイッチ音として使われます。

」の音は、体の中心軸(腹筋)を安定させるのに適している音だと思います。母音の「あいうえお」をそれぞれ発声してみてください。「あ、え、お」は外にフワーッと広がるような感覚、「い、う」はグッと内に入るような感覚であることが分かります。人間の運動の基点は腹筋にあります。グッと力の入る「い」の音を活用することで、腹筋付近を中心軸として上半身、下半身の動きをうまく連動させ、体の安定化を図ります。

しょー」は運動の持続や伸びに適しています。特に音末の長音(-)が運動の伸びをコントロールします。頭で体を動かすのではなく、音のリズムとタイミングで動かす感じです。音それぞれの役割を果たした全統的結果として、力が入りやすくなるのです。

イラストの方が分かりやすいので、掲載しますね。

声を出したほうが声の振動が身体を刺激してやる気のスイッチが入り、「よし!」となってくると思います。

よいしょはオッサンやオバサンが使う言葉だと認識せず、どんどん使ったほうが動作が楽になると思いますから。

腰痛や膝痛を抱えている人や下肢筋力の弱い人が、ある動作する時に「よいしょ」と言ったほうが、動作がよりタイミングよく、よりスムーズに、より力強くなるため、荷物が軽く感じたり、あまり痛みを気にしないで動けるからです。

また声を出すことに意識を向かうことで痛みを忘れる効果もあるのです。

だから私たちはこうした「よいしょ」の素晴らしさを経験的に知っているから無意識に使っているのです!

リハビリ現場でも、何かを動作する時(椅子から立つ時など)に掛け声をするよう促しています^^
なかには「えんやこらやどっこい~ッ」という面白い掛け声を発する方がいましたよ笑


最後までお読み下さりありがとうございました。
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