オープンとクローズドのクエスチョンで対象者のニーズを知る!

オープンとクローズドのクエスチョンで対象者のニーズを知る!

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

リハビリ介入前に、まずニーズやホープ、主訴などヒアリングを通して確認する機会が多いと思います。なかでもニーズは潜在的な要素が含まれているので、質問の仕方などセラピストの価値観に大きく左右されると思います。

利用者の潜在的なニーズを聞き出せるかどうかは、やはりセラピストの質問力にかかわっていますからね。

シャキ!

ここでは、ニーズを聞き出すためのオープンとクローズド・クエスチョンについてお伝えします。

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オープンとクローズドのクエスチョン


利用者の潜在的なニーズを聞き出すのに、次の2種類の質問を使い分けること。

・オープン・クエスチョン(開かれた質問)
・クローズド・クエスチョン(閉ざされた質問)

この2つの質問は、谷原誠弁護士著「するどい質問力!」から引っ張り出したものです。

オープン・クエスチョン(開かれた質問)

開かれた質問→答えの内容を相手に委ねるので、セラピストが予想もしない内容の答えが返ってきたりします。

例えば、以下のような質問が「開かれた質問」ということになります。

ハヤシ喜ぶ

普段の生活上で何か困っていることはありませんか?

ハヤシ喜ぶ

手をもっとうまくするには、どうしたらよいでしょうか?

ハヤシ喜ぶ

○○さんがフロアーで生活する時に、もっとも不安を感じるのは、どのような場面ですか?

…とカルテ情報以外の自分の知らない有益な情報を引き出せることになります。
ただ欠点として、高齢者の方は自身の障害像や生活像などをうまくイメージできていないこともあり、質問に答えられないこともあるでしょう。認知症の程度もありますしね。

クローズド・クエスチョン(閉ざされた質問)

閉ざされた質問→答えが二者択一的に終了し、そのあとの展開を要求しない質問です。

つまり、セラピストの想定の範囲内でしか会話が進行しませんので、明快は回答を導くことができます。
もし開かれた質問に対して上手に答えられないようなら、閉ざされた質問をするとよいでしょう。

例えば、以下のような質問が「閉ざされた質問」ということになります。

シャキ!

頭が痛みますか?それとも痛みませんか?

シャキ!

歩いた後に腰が痛くなってきますか?

シャキ!

手作業が終わったら歩く練習しますか?

…といったような、明確な回答が欲しい時に使います。
ただ欠点として、セラピスト側中心のコミュニケーションになりやすいため、利用者の潜在的なニーズを聞き出せなくなってしまいます。

谷原弁護士の話によれば、裁判で行われる反対尋問はほとんどが閉ざされた質問だそうです。反対尋問とは、相手方が自分に有利になる証言を引き出すために用意した証人に対する尋問のことです。

こちらに不利になることを言おうとする人に対して、不用意な質問をしてしまうと相手の思うツボになってしまうことがあるため、「こちらが予想できる範囲内だけ」の答えになるように、意識的に閉ざされた質問を使うわけです。

利用者の意思で自由に話をして欲しい時は、「開かれた質問」を、セラピストが聞きたいことだけを話して欲しい時は「閉ざされた質問」を、という風に目的に合わせて、この2つの質問を上手に使い分けるといいですね。

さいごに

管理人の場合、利用者のニーズを聞き出す時にはICFで言う「参加レベル」「活動レベル」に焦点を当てて、質問するようにしています。

今まで指導した学生さんを見ると、予め知りたい項目について整理してから質問していました。それは素晴らしいのですが、機械的に順を追って進めているような気がしました。高齢者の方々と話する機会が少ないからなのか、緊張している学生さんがいらっしゃいました。学生さんが緊張していると、利用者自身も緊張してしまうので、まずは自分がリラックスしてから挑みましょう。

それと、利用者の非言語的な側面からの情報。この情報を得るのも観察評価の一つです。利用者の表出される表情や態度、言語(トーンやメリハリなど)というものは、必ずしも利用者の内面にある考えや思いと一致しないこともあり得ます。

自分の知りたいこと以外の方向への話題の転換を性急に解消するような進め方はせず、余裕を持って質問して欲しいと思います。

最後までお読み下さりありがとうございました。
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