作業療法士の高次脳機能へのかかわり
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
前回は半側空間無視のリハビリについてお話しました。
ここでは、作業療法士の高次脳機能へのかかわりについてお伝えします。
※第31回日本高次脳機能障害学会の資料を参照。
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作業療法士の高次脳機能へのかかわり
以下、学会に参加した時に管理人が感じたポイントを挙げておきました。
・OTによる高次脳機能障害へのかかわりは「生活障害」へのアプローチといえる。
・個々で異なる問題を抱える対象者の生活に密着して介入を行なうべき。
・生活機能の最高水準は「遂行機能」であるといえる。
・OTは「道具の使用」の障害に見られる遂行機能障害から、職業・社会生活・家庭生活全般に関わる遂行機能障害まで、幅広く介入していく必要がある。
・OTの高次脳機能障害へのかかわりは「道具の使用障害」「動作障害」へのアプローチともいえる。
・「動作障害」といっても様々な原因によるものがあるため、かかわりも多様化してくる。
↓
例えば、
・USNによる動作障害
・Balint症候群による動作障害
・道具の認知障害による動作障害
・観念失行による動作障害など
失行症における道具使用の介入
・道具の選択の誤り→道具を減らす。
・道具使用の誤り→手の誘導を行なう。
・手の使い方の誤り→使用手の形を示す。
・順序の誤り→系列を少なくする。
このようにerror typeに合わせて介入方法を変える。
相手のerror typeを見極め、適した介入方法を行なっていくことがポイント!
道具の意味知識への介入
道具の名前、用途についての知識が低下していることによって生じる動作障害(意味痴呆など)に対して行なう介入。
・道具の名前、用途の学習
・道具使用の模倣
・道具使用の実行
Balint症候群に対する介入
ものの方向理解、ものと身体との関係理解に障害が生じるため、ADL場面で困難をきたす。
例)
便器に座る向きがわからない。
コップを正確に掴めない。
↓
タッチパネルによるポインティング訓練
行動管理知識ユニット
一つのコーヒーを飲む行動にも様々な行動様式がある。
感覚知覚経路自主的行動:例)コーヒーを入れるための道具の認知、コーヒーを飲もうという意図。
↓
計画・遂行的統合
→豆を煎るところから始まり、飲み終わるまでの計画・実行
↓
実行モニタリング
→一連の行動を客観的に監視する。
※私のコメント:要はPlan→Do→Seというサイクルで介入するわけですね。介入の際に、計画を立てたら、実行に移し、その結果を検討する。もし実行中に問題点や予期せぬ結果が得られない場合は、原因を追求し、対策を検討し、次の介入方法に向けての反省材料とする、このPlan→Do→Seeのサイクルで確認できますね。
行動管理知識ユニットを考慮に入れ、物事を計画てて実行する訓練を行なう。
例)
・パソコン、パズルなどを時間内に行なう。
・仕事選び、料理、小旅行プラン
・アサーティブ・トレーニング(例、3万円でやりくりするには?ディスカッション)
・家族の相談にのる。
さいごに
以上、作業療法士の高次脳機能へのかかわりを紹介しました。
USNって無視空間、レベルの程度、感覚様式の違いにとって本当に様々です。
慢性期にあたるUSNを持つ利用者に対しては、机上での検査を行なうことはもちろん重要ですが、個人的には生活場面の観察を通してUSNが原因で不便を感じる動作があれば、実際の場面でリハビリを行なうことが必要であると思います。
訓練室でUSNに対する訓練を行い、効果があったとしても持続性が低いですし、また訓練室から出てフロアーに戻れば、訓練時で得られた能力を生活動作に般化させることは難しいかもしれません。
訓練で受けた指導内容を「コロッ」と忘れてしまう利用者が多いですからね。
慢性期におけるUSNに対して、できうるリハビリ方法を見つけていきたいと思います。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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