Pusherの重症度は?治療アプローチ
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
一度は耳にしたことあるPusher現象。
運動の高次神経機能障害の1つと位置づけられる現象で、典型的な症状は次の通り。
・左半側空間無視を伴う。
・座位で患側骨盤に荷重。
・立位で重心が患側(左)に偏位。
・患側へ倒れることに対して無関心。
うん、確かに現場でよく見られる症状ですよね。
ふと思ったのですが、Pusher現象かどうかを確認する評価方法ってあるのでしょうか?
ここでは、Pusherの重症度分類と治療アプローチについてお伝えします。
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Pusher重症度分類
※網本ら;左半側無視例における「Pusher現象の重症度分析。理学療法学21(1):29-33,1994より
■座位(背もたれなし)
2:常に押す
1:時々押す
0:押さない
■立位(平行棒+装具)
2:すぐに押し修正困難
1:修正可能
0:押さない
■歩行(杖+装具+介助)
2:開始時から押し介助に抵抗する
1:杖を側方につくと押す
0:介助部分を押さない
※最重症は6、Pusherがない時は0
評価というより、どの重症度なのかを確認する方法があったんですね。
Pusherに対する治療アプローチを行い、重症度がどう移行したのか、効果判定の指標として参考になるかもしれませんね。
Pusher治療アプローチ
Pusher現象の典型的な症状は次の通り。
・左半側空間無視を伴う。
・座位で患側骨盤に荷重。
・立位で重心が患側(左)に偏位。
・患側へ倒れることに対して無関心。
では、治療アプローチは何があるのか?
調べてみました。
①頭部の動きの回復
②体幹側屈筋活動の刺激
③立位での正中線の再獲得
④階段昇降
※Davies
治療対応の実際(座位)
①壁・支持面の認知
②健側荷重
③鏡・閉眼
④患側挙上
⑤リラクゼーション
⑥下肢非接地
⑦上肢支持の変更
…など
治療効果検討例
検討例①
随意的重心移動=非麻痺側への体重移動を行う、動的座位練習
↓
座位保持能力向上に効果がある可能性あり。
検討例その②
視覚的手がかり
↓
鉛直方向の視覚的定位障害を補完し、その効果が即時的に持ち越された。
治療アプローチ後にPusher重要度分類を用いて治療効果の判定をすれば、適切な治療内容だったか否か確認できますね。
勉強になりました!
さいごに
管理人の経験上ですが、座位保持練習時に、利用者Aさんの体幹の傾斜を修正すべく私が体幹を健側へ押そうとしますが、Aさんにとっては正中位の姿勢が崩れたと脳内で判断し、私が押した方向へpushしてしまいます。
Aさんは患側へ体を傾斜させた状態が正中位の姿勢だと脳内ではそう判断しているんですね。
だからセラピストが姿勢の修正を加えようとすると、Aさんが恐怖を感じ取ってしまうのかもしれません。
車椅子上でも、時折、患側側のアームサポートに寄りかかることがあります。
これだと健側の筋短縮と患側の筋伸張が起こり、患側を凸にした体軸の彎曲が見られるので、体幹アライメントが崩れる恐れがあると思います。
車椅子シーティングとして、アームサポートとバックサポートの間にクッションなどを差し込む必要がありますね。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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