半側空間無視のリハビリは?

半側空間無視のリハビリは?

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

更新が遅れました^^;
実は、週末いろいろとあってバタバタしておりました。
心配なことがあって、ブログ更新どころではなかったんですね。

でも、昨日「大丈夫だった」と聞き、胸を撫で下ろしました。

シャキ!

さて、今日は半側空間無視(以下、USN)のリハビリについて勉強しました。


※第31回日本高次脳機能障害学会の資料を参照にしました。

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対症的アプローチ

①左側への注意集中指導:意識的に「左」を向くことを指導する。(言語・聴覚的、視覚的に刺激を与える)

②視覚走査訓練:視覚的探索を組織化、強化する訓練
・左端を示す。
・刺激の右側から左へ向かって探索を向かわせ、「もう左にはない」というところまで探させる。
・「もっと左をみて」という教示の行いすぎは反対に右側を見落とす原因にもなるため、規則的な視覚走査の誘導が必要な場合も

※私のコメント:左半側空間無視がある高齢者に、生活用品を左側に置いて注意を向けるのは酷かなと思います。現在、認知できている右側だけで生活できるようにしたほうが、自身にとって過ごしやすいでしょう。できないことをさせるのは訓練ではなくイジメに近いですからね。

ADL志向的アプローチ

①移乗、立位保持、歩行、家事動作などをいくつかの段階に分割し、1つずつ練習していく方法
②家事動作のビデオフィードバック訓練
③聴覚フィードバックを利用した歩行訓練

※私のコメント:ビデオフィードバックによる訓練はいいかもしれませんね。スマホかタブレットで撮影し、その場で利用者に動画を見せることでフィードバックができるのではないかと思いました。

補償的アプローチ

無視側である左上肢にブザーやバイブレーターなどを取り付け、ボタンを押すと鳴り止むなどの設定をしておき、左側に注意を向けさせる。
→患者に無視や麻痺側上肢の動きに気づかせる手掛かりとして習慣づけていく。

機能代償的アプローチ

①健側単眼へのEye Patching
②半側サングラス使用
③左耳冷水刺激
:左前庭への水分注入。三半規管を刺激することで左側への眼振が出現→左側への注意が促進される。

※私のコメント:この左耳冷水刺激はセラピスト自身が判断して行うのではなく、ドクターによる訓練であると聞いたような…。いずれにしろ高齢者の方に試みるのはリスクがあるかもしれませんね。

④後頸部筋振動刺激:無視側の後頸部に振動刺激を行なうことで身体の重心が無視側に傾く錯覚を覚える現象を利用し、一時的に無視側への注意を促す方法。

⑤プリズム眼鏡訓練:左側に10度シフトして見えるようなメガネをかけて標的への到達運動を50回繰り返す(1ヶ月間施行)。施行後、メガネを外した後も新しい順応が成立した。

⑥反復頭蓋磁気刺激療法:「健側半球が患側半球の機能を悪化させている」という仮説に基づき、健側からの抑制を解除するする目的で健側半球(左頭頂後部)に電気刺激を行なう。

※私のコメント:老人保健施設でUSNに対するアプローチは、対症的、ADL志向的、補償的アプローチが適応となるかと思いますが、機能代償的アプローチの場合はそれなりの機器が必要ですし、ドクターの指示も必要であることから適応可能とは言い難いと思います。

きょうはここまでにして、次回は「作業療法士の高次脳機能へのかかわり」について勉強したいと思います。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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