
pinchとgraspの分類について。母指は偉大だ!
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
みなさんは床に落ちた1枚の100円玉をどのように拾い上げますか?
指先つまみ?
指腹つまみ?
それとも…?
私の場合は、指先つまみでした。
物体をどのようにつかむのか?またどう握るのか?
いろいろな把握の種類・分類があると思います。そこで調べてみました!

ここでは、物を把握する種類についてお伝えします。
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母指は偉大!
母指にはどういう働きを持つのか?それは次の通り。
・物体に手を伸ばす
・つかむ
・保持する
・離す
…という一連の動作過程から成り立っているこの機能は、母指の対立運動が可能となってはじめて、その機能を果たしている。
・手指の把握動作
→循環系に対してポンプ作用の役割。血液などの循環を補助。
普段の生活について母指の果たす役割は手指全体の約60%!
母指が他指に比べ使う頻度が多い、それに筋力(母指球筋)も他指に比べ発達していますから、保持するのに必要な指であることが分かりますね。
まさに母指は偉大!
つまみpinch
つまみは母指と他指とで行われ、巧緻性・協調性を必要とする動作。
・掌側指腹つまみ(palmar pinch,pulp pinch)
母指の腹と他指(とくに示指)の腹とでつまむ動作。最も使われるつまみ動作!
・指先つまみ(finger tip pinch)
母指の指先と他指(とくに示指)の腹先とでつまむ動作。非常に小さい物、針などをつまむ時に用いられる動作。
・指側腹つまみ(lateral pinch,key pinch)
母指の腹と他指(とくに示指)の側腹とでつまむ動作。pinchの中で最も力の出る動作で、鍵や紙などの物を保持するのに使う動作。
・三点つまみ(three-jaw-chuck)
掌側指腹つまみの変形で、母指の腹に他の二指(示指と中指)の腹とでつまむ動作。
・side pinch
母指以外の他指で行われ、特に示指の側腹と中指の側腹とで保持する。タバコを吸う時の動作。
以上が一般的に分類されているつまみ動作でした。
握りgrasp
今度は、握りgraspについて紹介したいと思います。
握りにはどんな種類があると思いますか?
母指以外の四指が離れること無く全屈曲し、母指が示指・中指の背側に全屈曲する動作。つかむ動作の中で最も力の出る動作(だからpowerが付くのか!)
↓
実は、小指の役割が大きい!もし小指に機能障害があると十分に行えない!
・円柱、筒握り(cylindrical grasp)
power graspの変形だが、巧緻性・協調性が必要となる。全指が全屈曲ではなく軽度屈曲であり、コップなどの円柱形の物体を横から持った時の動作。母指の力方向は示指あるいは中指への方向。
※私のコメント→Brs手指Ⅳ~Ⅴの方に対し、ラップの芯を円柱握りでのHolding exをよく指導しています!
・球握り(spherical grasp)
球形または円柱形の物体を上から持った時の動作。母指の力方向は円柱握りよりも尺側すなわち中指あるいは薬指の方向。
・かぎ握り(hook prehansion)
完全な握りとはいえない。母指の参加がなく、また他のつかむ動作においてはMP屈曲がみられるが、かぎ握りはMP伸展位であり、指節間関節を強く屈曲し、ここに物体を引っ掛ける動作。
重いバケツやバケツをぶら下げる時やモノを引っ張る時によく使われる。前腕と手の長軸が一直線になった時に、特に機能が発揮する。
では、問題です!
突然ですが、問題を出します。
問題:球握りが可能になるのはBrunnstrom法で言うと、どのレベルでしょうか?
正解:Ⅴレベル(随意的手指伸展可能)
筒握りや対向つまみはⅤレベル。
かぎ握りはⅢレベル。