訪問リハから学ぶ対象者の状態把握について

訪問リハから学ぶ対象者の状態把握について

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

以前、訪問リハビリの仕事をしたことがあるのですが、当時の私は観察力が弱かったので、少しでもレベルアップしたくOT訪問リハビリ研修会に参加したことがあります。
その時に配布された資料を元に、簡潔にまとめてみました。

シャキ!

ここでは、訪問リハから学ぶ対象者の状態把握についてお伝えします。

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フィジカルアセスメントとは?

・主観的情報→インタビュー、問診
・客観的情報→フィジカルイグザミネーション(視診、触診、聴診、打診)

あれ、いつもと何かが違う」と普段との違いに気がつくことが必要!
そのためには平常時の状態把握が欠かせない!

高齢者の特徴

①病気の程度に比して障害の出方が大きい。
②病気が複数存在し、症状は複数の原因で起こっていることが多い。
③各臓器の予備能が低下している。
④症状が非典型的である。→バイタルサインに反映されず、自覚症状が少ない!
⑤ささいなことで健康状態が一気に悪化する。

Aさんの事例

あるAさんの事例を出します。

79歳の女性。2年前に脳梗塞発症。左片麻痺で1年前より寝たきり状態。
「食欲はないし、だるいので今日はリハビリはしたくない」とウトウトしており、皮膚はカサカサ。
尿量は500ml/日。
「猫は…そこにいるか」と状況に合わないことを言っている。
(前回KT:37.2度 P72/分 BP146/80mmHg)

Aさんのフィジカルアセスメントは?

Aさんの事例から何を観察しますか?
・主観的情報は?
・客観的情報は?
・症状から考えられるのは何か?

以下が観察ポイントです。

観察ポイント・いつから、そのような症状を出たのか?
・どの位食べたり、飲んだりできているか?
・尿の性状は?
・口腔粘膜や口渇は?
・意識レベルは?
・呼吸状態は?

Aさんのこのような症状が見られたのは、脱水によるせん妄かもしれません。

脱水症とは?

脱水とは生体が何らかの理由で体液を喪失し、欠乏することをいう。
体重の60%が体液であるが、10%以上減少すると脱水症となる。
※脱水症には「水が欠乏する」、「塩分が欠乏する」の2種類ある。塩分欠乏が原因で脱水症の場合、一摘みの塩を含んだ水を飲ませることが大切!

脱水になりやすい高齢者

以下が脱水症になりやすい高齢者の特徴とされています。

体内に蓄積する水分が少ない。筋肉量の減少
・渇中枢機能の低下(のどが渇かない)
・尿の濃縮力の低下(老廃物を排泄するのに多くの水分が必要。薄くたくさんの尿を排泄する)
・ホルモン分泌、ホルモンの反応性の低下
・トイレに行くことを気にして、水分制限している。

脱水の初期症状は?

・元気がなくなる、だるい
・食欲低下
・尿量減少
・便秘
・吐き気
・37度前後の微熱
・皮膚、粘膜の乾燥

脱水症が進行すると、以下のような症状が出現します。

・傾眠、意識レベルの低下
・せん妄、意味不明な言動、幻覚、
・不穏
・血圧低下、頻脈

脱水の観察ポイント

観察ポイント・発熱、発汗は?
・意識レベル、活気、だるさは?
・食事と飲水量は?
・尿の性状は?量は?回数は?
・嘔吐、下痢は?
・皮膚、粘膜の乾燥は?
・起立性低血圧、体位による血圧の差は?
・利尿剤の内服は?
・せん妄は?

つまみ試験(ツルゴール反応)

前腕または胸骨上の皮膚をつまみ上げて離し、皮膚が元に戻るまでの時間をチェック。
通常は数秒で戻るが、脱水により細胞外液が減少し皮膚の水分が減少、皮膚の緊張が低下。その結果、10~20秒皮膚のシワができたままとなる!

以上、Aさん事例から考えられる症状は、脱水でした。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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