高齢者レクの目的は何?レクをやるならセラピューティックレク?

高齢者レクの目的は何?レクをやるならセラピューティックレク?

福祉レクリエーションの捉え方は当然ながら人によって異なります。
管理人は作業療法士なので、レクをやるなら福祉的なレクというより、リハビリ的なレクの捉え方に意識を向けると思います。

あれ?そもそも福祉的なレクってどういう考え方なんだろう?と最近、疑問が湧いてきました。
レクに関する資料を集めてみたところ、非常にわかりやすい資料があったので簡潔にまとめてみました。

シャキ!

ここでは、リハビリ的レクではなく福祉レクについての考え方についてお伝えします。

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福祉レクの大きな2つの考え方


レクリエーションはかつては、再創造とか気分転換などと解されてきたようですが、現在は変わってきていますね。

福祉レクにおいては、大きく2つの考え方が提唱されています。
それが次の2つ。

福祉レクの2つの考え方

①生活そのものを捉えて、生活自体を快適なゆとりのあるものに高めていくことを課題とする。
「生活の快」ということを目指した「安らぎ」「触れ合い」を求め、さらに文化的な生活と治療プログラムに発展する「生活のレクリエーション化」の方向。

②余暇活動の充実
余暇の獲得とその充実を通し、自立的な余暇生活を確立する営みと捉える観点がある。スポーツや文化的な活動、多様な趣味にかかわる活動を通して生きがい(生きる喜び)を見つけ出したり、自己を高めるための学習活動を通して、達成と自己成長を目指したりすることによりQOLの実現を図っていこうとする「レクリエーションの生活化」を志向する考え方。

この2つの考え方は、生活のどこにレクを位置づけようとするかの視点の違いに由来するようです。

つまり、①の場合は…、

人間の生活全体とレクを関わらせる。

生活の現実から水平的に生活改善の可能性を探る。

全ての福祉サービス利用者が日々の生きる喜びを「今、ここで」獲得できるように努めるレク支援。

②の場合は…、

人間の生活のうち余暇生活を基盤として垂直的にレクを見る。

生活改善主導的な契機を余暇生活領域に見て、レクの可能性とその向上から生活を発展させる。

生活の質の向上を課題として「今日から明日へ」の人間性の開発を課題するモノ。

調べれば調べるほど、自分の知らないレクの意義が他にあるんですね~。

福祉レクの3つの援助活動


福祉レクには、次の3つの援助活動があるそうです。

福祉レクの3つの援助活動

①生活のレクリエーション化をすすめる援助
施設利用者や重度の介護利用者への援助は、この援助が中心となる。人間として喜びを持って生きられるように生活全般を喜びのあるものにしていこうとする考え方。

②多様なレクリエーションプログラムへの参加を促す援助
施設利用者を含め、多くのデイサービス利用者、軽度の障害者などが日常的にレクリエーションに触れることにより生きる喜びを得ていけるような援助。

③セラピューティックレクリエーションとしての援助
療法士や医師などと協力しながら、日常生活機能の失われている人々への援助をする(治療的援助)、レクリエーション生活の必要性の理解と積極的な取り組みへの態度を醸成し援助をする(学習援助)、レクリエーション生活の自立への援助をする(社会参加援助)

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セラピューティックレクがしっくり?

作業療法士によるレクを導入するなら、上述した3つの援助のうち、どれがしっくりするでしょうか?

管理人的には③が一番しっくり来るので、セラピューティックレクによる援助が最適となるでしょうか?

③の援助活動って、ICFの視点と相互に作用し合っているような気がします。

・治療的援助→ICFで言う「身体機能」
・学習援助→ICFで言う「活動」
・社会参加援助→ICFで言う「社会」

そして、もう一つ勉強になったことは、次の2つ。

①処方型プログラム
→療法的意味合いの強いプログラムで、要は与えられる遊び。

②カフェテリア型プログラム
→個人の欲求に基づいて提供されるプログラムで、要は自立した遊び。

特に、②はマンパワー不足の状況時に取り入れるといいかもしれません。
②は職員が付き切りでなくてもできることが特徴するタイプで、例えば、デイケアで入浴順番待ちの利用者に何か楽しんでもらえるように遊びを提供します。

私たちのデイケアでは、入浴順番待ちの利用者は、塗り絵や読書、テレビ鑑賞、寝る…といった単調な活動が多いような気がします。

他の施設では、入浴待ちの利用者にどんなレクを取り入れているのか気になりますね。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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