深爪の人は転倒しやすい?正しい爪の切り方で転倒予防を!

深爪の人は転倒しやすい?正しい爪の切り方で転倒予防を!

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

あなたの周りに、深爪になっている利用者を見かけませんか?

深爪があると、指先に力がかかった時に外力により爪が皮膚に食い込みます。また爪がない部分に力がかかっても、力が十分に発揮できず、充血や出血、指先の筋力の低下につながってしまいます。
※深爪:爪の白い部分がない、爪の下の皮膚が見える状態のこと。

そういった意味から、指先に不便を感じたり疲れやすくなり、歩行障害などから二次的な疾患を招くという負の連鎖も考えられるわけですね。

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ここでは、深爪と転倒の関係、転倒しないための環境設定についてお伝えします。

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高齢者が転倒しやすい理由は?

ところで、年間で高齢者が転倒する割合はどれくらいかご存知でしょうか?

男性→10%
女性→15%

女性の方が多いですね!
転倒の定義は、次のようになっています。

自分の意志からではなく、地面またはより低い場所に、膝や手などが接触すること

転倒の危険因子として挙げられているのは、なにも居室環境だけでありません。
転倒の原因と考えられているのは、次の通りです。

転倒の原因・加齢とともに筋力・反射・バランス能力・視覚などの身体機能が低下するため転倒しやすい。
・病気による影響で転倒しやすい。
例えば、心臓の病気などで血圧が急に低下したり、不整脈が起こることが原因で転倒することもあります。
・白内障や緑内障の人も転倒しやすい。
・睡眠薬や降圧薬の作用で転倒しやすい。
・屋外の段差などにつまずきやすい。
筋力が低下すると、「うつむき加減」「膝が曲がっている」「すり足」など転びやすい歩き方になりがちで、これまでつまずくことのなかった段差でもつまずきやすくなります。

転ばない環境つくりは?

転倒する場所が多いのは、どこだと思いますか?

実は、一番安全そうな「居室」なんですね。

居室で転倒する理由は、次の通りです。

・カーペットの端につまずく、滑る。
・敷居の段差につまずく、新聞や広告を踏んで滑る。
・フローリングで滑る。
・電気のコードにひっかかる。

※私のコメント→上記の理由は、なかなか改善しにくいと思います。習慣化となっていますから、どうしても元に戻ってしまうんですよね。
以前、訪問リハビリで環境作りの指導をしたけど、後日訪問したら、全て元に戻っていました^^;身近な家族の人にも協力してもらわないと改善できないと思います。

そして、意外と見逃してしまう項目があります。

・十分な照明があるか?
・手すりを設置しているか?
・床は滑りにくい素材か?
・段差のない入口か?
・スリッパやマットなど、障害物のないスッキリした入り口か?

足のトラブルとは?

私たちの施設には、足のトラブルを抱えている利用者が多数いらっしゃいます。例えば外反母趾、巻き爪、爪白癬などがそうです。
そういった足のトラブルで靴が履きづらくなったり、痛みのせいで転倒しやすくなります。

爪白癬って、爪が肥厚して黄白色になり、悪化すると爪が変形します。

他に皮膚のトラブルも見逃せません。特に足の皮膚が乾燥していると角質層が厚くなり、ひびが割れたりしますよね?悪化すると痛みや出血が見られます。

タコや魚の目も同じく、角質層に芯ができたりすると激痛が伴いますので、転倒に結びやすくなります。

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転倒しないための対策は?

・適切な靴を選ぶ。
・正しく爪を切る。
・足を清潔にする。
・正しい姿勢で歩行する。
・皮膚や爪の再生を助ける。
・栄養バランスに気をつける。

爪の切り方によっては巻き爪を予防できるので、十分に気をつけたいものです。特に深爪だけは十分に注意をつけたいところです。

利用者のリハビリをしている時に、足の爪や皮膚、足のアーチなどチェックする機会が多いことと思います。

管理人が新人の頃、「フットケア講習会」に参加したことがあり、資料の一部を紹介しますので、ご参考になればと思います。

足の役割について

4つの働きとは?①体の支持面の形成(土台)
②衝撃吸収
③歩くときに、蹴り出すテコ
④ポンプ作用(第2の心臓)

・立つ、歩く、走る、跳ぶ
・関節・筋肉・内臓を保護する
・末梢の血液を戻す

高齢者の足の特徴について

外的要因・合わない靴・補装具による皮膚への刺激や圧迫
外反母趾、開張足、ハンマートゥ、胼胝の眼、陥入爪など。
・不注意な加温熱傷
カイロや湯たんぽによって、低温火傷を負う。
・段差・階段などの室内環境による外傷・骨折
段差、階段などの室内環境による外傷、骨折
加齢的要因・皮膚が乾燥、しなやかさの低下
抵抗力が低下し傷つきやすく悪化しやすい。
・筋力・視力・注意力・反射機能の低下
足の筋力低下、足元が見えづらい、前にある障害物の存在を確認できない、反射、機敏性の低下で咄嗟の対処ができないため、転倒しやすい。
・脂肪の減少、骨量の減少
足への衝撃が強くなり、筋・骨・関節の障害が起こりやすい。

他に、視力の低下や手の振戦、前屈みができない、認知障害などの理由で足のセルフケアができない高齢者が数多くおります。

足や爪のトラブルがあると?

足、爪のトラブルは、下肢の機能低下につながる
(足の状態がADLに大きく関わっている)

足の機能障害、転倒事故につながる

寝たきりとなる

転倒予防につなげる爪の正しい切り方


足の爪は手の爪とは違って、人の目に触れないところにありますから見逃しやすいのです!
これからは足の爪にトラブルがないかチェックを怠らずに行いましょう。

周知の通り、爪は生活する上で欠かせない大切な器管です。
手の爪がないとモノを掴めません、同じく足の爪がないと歩くこともできません。

深爪もそうですよね。深爪になっている利用者がいたら、ぜひ正しい爪の切り方を指導してくださいね。

※高齢者のフットケア方法は次の動画をご覧ください↓

 

※もうご存知の方が多いと思いますが、爪を切る際にはスクエアオフという形になるように切りましょう!↓

スクエアオフがキーですよ。

さいごに

現行の介護保険制度では、通所の新規にあたって通所開始日から起算して1ヶ月以内に当該利用者の居宅を訪問し、利用者の身体状況、家屋の状況、家屋内におけるADLなどの評価を行なうことになっています。

ですので、居宅を訪問した時にしっかりと家屋状況を評価し転倒の危険因子を探りつつ、この危険因子を一つでも減らして生活環境を改善するよう指導するのもセラピストの重要な役割です。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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