食事時の座位姿勢の観察ポイントは?理想的なテーブルの高さは?

食事時の座位姿勢の観察ポイントは?理想的なテーブルの高さは?

みなさん、こんばんは。崖っぷちの難聴OTの林です。

食事動作を場面する際に、まず何を観察しますか?管理人がいつも観察しているのは、座位姿勢です。座位上、体幹が傾斜していたり、ずり落ちが見られているというのに、そのまま食事介助をしている人がいます。

食事介助の前に、まず座位姿勢に注意を向けて欲しいと思います。

シャキ!

ここでは、食事時の座位姿勢の観察ポイントはと理想的なテーブルの高さについてお伝えします。

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食事時にこんなケースはどうする?

・円背姿勢の人はどうする?
うつむきが強く嚥下の動きを邪魔することになるので、目線を水平に持っていくように補正します。そのためには、座面をティルトにしましょう。

・体が傾く人はどうする?
体幹を安定させるには、骨盤を両側方から支えるようにロールしたタオルを入れたり既成品のラテラルサポートをセットします。

・頚部が過伸展していたら?
その場合h、臀部を奥深く座らせ背部にクッションを入れて体幹を軽度前傾します。それが無理ならティルト式車椅子に変更します。食物の誤嚥による窒息が怖いですからね。

足底は接地してる?

意外と見逃しやすいのは、足底が接地していないこと。基本は、足底全体を床に接地させるようにします。車椅子のフットサポートに足を載せたまま食事を摂る利用者がいますが、その場合だと姿勢が崩れやすくなってしまいます。

特に小柄な人はフットサポートに足を載せるために殿部を前方にずらし、どうしてもずっこけ座り(仙骨座り)になりやすくなります。
そのような人は足が床に届くように高台を用意し、そして背部にクッションを入れています。両足を膝の真下に位置するように接地させたほうが、姿勢が崩れにくいと思います。

食事時の理想的なテーブルの高さは?

車椅子側のシーティングを実施し、座位姿勢が良ければそれで終わりではありません。シーティング後の移乗動作や食事動作などのADL観察も大切です。

例えば厚みのあるクッションを敷くと座面高が高くなり、低いテーブルでの食事動作に支障を来すことがあるかもしれません。逆もそうですね。車椅子の座面高がベッドの高さよりも低いとベッドへの移乗が大変でしょう。

ハヤシ喜ぶ

ここでは、テーブルが高い、低い場合の食べやすさはどう違うのか?を簡単にまとめてみました。

テーブルが高い!

テーブル上に置く両手の高さが高くなるはずです。それが両肩への負担がかかり、肩を痛めてしまいます。食べにくいですし、食事に疲労を感じてしまうでしょう…。

そんな姿勢が続くと、血液循環・内臓機能低下による消化機能が悪化してしまいます。

テーブルが低い!

背中を丸め食物を口に運ぶ姿勢となります。頭ってスイカ1個分の重量があるわけですから頚部が頭部を支持しなくてはいけません。そのため頚部や背部の筋疲労が溜まってしまいます。片方の肘掛けに持たれかけて食べるなど、バランスの悪い姿勢を取りやすくなることも…。

こちらも血液循環・内臓機能低下による消化の悪化をもたらします。
 

理想的なテーブルの高さ

理想的なテーブルの高さは、素足の状態(60~65cm)で腕を下に垂らした時の肘の位置が目安とされています。

テーブルの高さの他に座面の高さも合わせて確認したほうがいいですね。

座面が高い!

大腿部に圧が集中し、膝裏に神経や血管が通っているのでしびれたりする。そのため食事を楽しめない。

座面が低い!

臀部に圧が集中し、腰や臀部に負担が増大。そのため、腰痛が生じ過度な疲労で食事に集中できない。
 

理想的な座面の高さ

理想的な座面の高さは膝裏の高さを目安にする。

テーブルを交換できないなど施設側のハード面の問題があると思いますが、足台を使う、テーブルの脚を切る、食事用テーブル以外のテーブルを代用するなど、ほんの小さなことでもいいので、できる所からアプローチしてみては?

最後までお読み下さりありがとうございました。
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