座位姿勢評価の4つのポイント 90度ルールを覚えよう!
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
車椅子に座っている方の座位姿勢を評価する時、まず何を観ますか?
仙骨座りになっているか?
身体が傾いていないか?
それもそうですが、もっとに他に観察すべき点があるはずです。
例えば、骨盤の位置は前傾?後傾?回旋?上肢は両方共フリーになっているか?も見逃せません。
ここでは、車椅子上座位姿勢を観察する時のポイントをお伝えします。
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理想的な座位姿勢とは?
車椅子上の座位姿勢を評価する際のポイントは次の通り。
①座位能力分類はどれ?
②骨盤の位置は正しい?
③指標とする座位姿勢と比べて近づいている?
④どのように姿勢が崩れる?
①の座位能力分類ですが、車椅子シーティングに詳しくない介護職員やケアマネでも簡単にチェックできるかと思います↓
③の指標とする座位姿勢とは、次の画像の通りです↓
このように、指標となる座位姿勢を参考にすれば、各関節の位置は好ましいのか?アカンのか?を確認できます。ですが、まず骨盤を好ましい位置に戻してから、あとは各関節の位置を調整します。姿勢を直していく上で骨盤が重要なキーですから。
④のどのように姿勢が崩れる?ですが、逆に、どの方向・位置で座位バランスが安定するのか?も確認するといいです。つまり、③の理想的な姿勢に調整しつつ、その人にとって座位保持可能な位置を探し出すことです。
管理人はPDCAサイクルによるシーティング対応を取っています。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、不良姿勢などの悪い点を継続的に改善していくようにしています。
座位姿勢の90°ルール
基本というか理想的な座位姿勢として、意識したい関節はどこでしょうか?
股関節90°
膝関節90°
足関節90°
理想的なルールに沿って調整する、またニュートラルなポジションとしてそこからスタートするための姿勢と捉えます。必ずしも「90°ルールに従いなさい」というわけではなく、可能な限り90°ルールに近づくことです。
前額面での座位姿勢チェック!
90°ルールに沿って座位を取ると、体重は坐骨結節の上にかかるはずですが、もし左右非対称であれば重心がズレてしまいます。
ですから、90°ルールだけでなく、身体の左右対称はどうなのか?もチェックすることが大切ですね。
チェックポイントは以下の通り。
頭部
目線
鼻筋
首
両肩
体幹
骨盤
両膝(開き具合)
両踵
このように身体の左右差がないかを見比べます。なかでも骨盤のチェックは欠かせません!骨盤の左右の高さや歪みはどうでしょうか?
両膝の位置や開き具合など左右差が違う場合、それは骨盤に影響されているかもしれません。骨盤を正しい位置や高さに戻せば、両膝はキレイに揃えるはずです。
特に、片麻痺の人は麻痺側の骨盤が後方に引かれていることが多いので要チェックです。
脚長差があるからと決めつける前に、まずは骨盤の位置と高さをチェックしましょう!
一度骨盤をニュートラルポジションに戻したら、その他のチェックポイントがどう変化していくのかも合わせて確認できるといいですね。
だから骨盤は重要なキーなわけです。
矢状面での座位姿勢チェック
さきほど説明したのは前額面での評価ポイントでした。では、矢状面はどうでしょうか?
首→過伸展位になっていないか?
顎→顎が引けてる?
脊柱→円背姿勢?Cカーブ?
股・膝・足の角度→90°ルールになってる?
足底→地面に接地してる?
よく見られるのは骨盤が後傾し脊柱がCカーブを描いていることでしょうか?
特に円背姿勢の人によく見られ、頭頚部過伸展にもなりやすいのです。そんな方が脊柱を伸ばしても理想的な座位姿勢(脊柱S字カーブ)を確保できないでしょう。
脊柱Cカーブを作る原因は他にもあります。
・骨盤前傾に強力な働きを持つ腸腰筋の弛緩により、骨盤が後傾し腰椎は後弯する。
・脊柱起立筋の筋疲労によりS字カーブをCカーブに変える。
最初は背筋を伸ばそうと意識するけど、それが背中の筋肉が疲れてしまい、いつしか脊柱Cカーブになるのです。
骨盤後傾位は下肢にも多大な影響を与えます。そうなると膝関節・足関節を90°保持できなくなります。
足底を地面上に接地して体重を受けるためにも骨盤の位置は重要です。
※いまだにフットサポートに足を載せた状態で食事を召し上がる場面が見られます…。
脊柱を伸ばすためにも骨盤をニュートラルポジションに戻すことが重要です。
それから脊柱を伸ばし、もう一度横からの座位姿勢をチェックし直しましょう!
さいごに
車椅子シーティングを行う際に、まず座位姿勢はどうか?
指標となる座位姿勢と照らし合わせて確認することが大切。前額面だけでなく矢状面での座位姿勢も合わせて評価すると、指標となる座位姿勢により近付けることができる。
指標となる座位姿勢に近づけるためにPDCAサイクルによるシーティング対応を行い、利用者の活動(食事動作など)や参加(レクやアクティビティへの取り組みなど)においてどんな変化が見られたか?普段の行動観察を行うことも意識したい。
※参考文献※
・高齢者のシーティング第二版 廣瀬秀行・木ノ瀬隆著
最後までお読み下さりありがとうございました。
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