相手から信頼を得るためには?「心を透視する技術」から学んだこと
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
近日に、メンタルヘルス検定を受験することになりました。その影響か、最近、伊達一啓著「心を透視する技術」を再読することに。
心を透視するって聞くと、メンタリストDaiGoさんのことを思い浮かべると思います。メンタリストとはDaigoさんの定義によると、「心理学に基づく暗示や錯覚などのテクニックを駆使し、を常識では考えられないようなパフォーマンスを見せる人を指す」とされています。
ここでは、管理人が伊達一啓著「心を透視する技術」を読んで、現場でも活かせる技術をここに記したいと思います。
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本音を見抜くテク
本音を見抜くには、相手の椅子の座り方をチェックすること。もし両脚を組んで斜めに座ったり、真っ直ぐ向いていても両脚を閉じて座っているとしたら、それはクローズド・ポジションで拒否の姿勢。リハビリのお誘いに対し拒否の姿勢を示していたら、たとえ口には出さなくても、リハビリに行きたくないサインと捉えると思います。
逆に、脚が開いていて、真っ直ぐ向いていたら、それはオープン・ポジションで許諾の姿勢。それなら、間違いなくリハビリへの参加促しに応じてくれるでしょう。
恋愛場面でも活かせますね。気になる異性がオープン・ポジションを取っていれたら脈ありかも?そうなったら熱烈なアピールを!!
好かれるゴマすりと嫌われるゴマすり
特定の人の好意を得ようとする行為を「迎合行動」と呼ぶが、「ゴマすり」もその一つ。
管理人はよく現場で「ゴマすり」を行うので、改めて便利な技術だと思いました。
①お世辞を言って相手の自尊心を高める
②相手の意見に同調する
③相手に親切にしてあげる
④自分を卑下して相手を高める
4つのゴマすりを上手に活用して、対象者に信頼されるセラピストになりましょう!
名簿効果
これは、「名簿を見せてまず相手に安心感を与える」こと。
他人に何かをやらせようと思ったら「~して欲しい」と懇願するよりも、たくさんの名前を連なった名簿を見せて、みんなも自分に同意していることをアピールしたほうが効果的。
これも時々、アクティビティのメンバーを増やすのに活用しています。
例えば割り箸モザイクに参加するか否か悩んでいる対象者に、「割り箸モザイクをやられているメンバーには、Aさん、Bさんでしょ、あとCさん、Dさんもいますよ。」と参加者が他にもいることをアピールしています。参加者の中に対象者と馴染みのある人がいるとベター!馴染みのある人が一人でもいると安心ですからね。
ラベル
これは、「ラベルを貼れば相手はそのように振る舞うようになる」こと。
例えば…、
・時間にルーズな人に対し、「たまに時間に遅れることがありますが、本当は時間を守るしっかりした人間なんですよね。」
・すぐに怒り出す人に対し、「少し短気なところがあるけど、本当は優しい人なんですよね。」
このようにラベルを貼られた相手の前では、意に沿って動こうとする傾向が見られます。ただ言葉の内容によっては逆効果があるので慎重にしたいところ。
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ピグマリオン効果
ピグマリオン効果というのは、次の通り。
指導者が学習者に対して期待を持って接することによって、学習者も期待に応えようとして成績が上がる現象をいう。
この象徴的な例として、アメリカの教育心理学者ローゼンタールらが行った実験がある。 それは、小学生に知能テストをさせた後、その結果とは関係なくランダムに「将来伸びるであろう生徒の名前」を教師に告げたところ、1年後に、その生徒達の成績が明らかに伸びていた、というもの。ちなみにピグマリオンとは、ギリシャ神話に登場する彫刻家の名前。彼は自分が彫った彫像に恋をし、ついには神がその彫像に命を吹き込むという話が由来になっている。引用元: ナビゲート
要は、人に熱い期待を寄せれば、相手は期待通りに動く可能性が高くなる!ということですね。
例えば、次のように期待を持って話しかけてみます。
A「君は料理が上手だね。俺はいい奥さんをもらったよ」
B「あなたって本当に家族想いの優しい人ね。毎年家族旅行に連れて行ってくれるし、お小遣いだってそんなに使わないしね。」
↓結果
A:妻は期待に応えて料理を勉強せざるを得なくなる。
B:夫は外ではあまり金を使わなくなる。代わりに家族サービスが多くなるかも?
ピグマリオン効果は発揮するには、何度も情熱を込めてラベルを貼る必要がありますが…!
カウンセラーの3つの態度
これはアメリカの心理学者のロジャースが、建設的な人間関係を作るには3つの条件があり、その条件が一定期間継続する必要があると述べています。
①共感的理解
②無条件の肯定的配慮
③真実性
①:聴き手は相手の話に「共感」することです。対象者の話をよく聞いて理解し、肯定し、共感してあげることですね。傾聴し非指示的な技法で応答することが大事。どうしてもクライエントの抱えている問題の解決法を指示したくなるが、あくまでも人間的、心理的成長、自立性を尊重する、それがロジャース「来談者中心療法」の特徴とされています。
②:聴き手は相手の話に「無条件の肯定的関心」を示すことです。批判的なことはせず、無条件に受け入れることが大事。
③:聴き手は「自分に正直である」ことです。相手の話を聴きながら自分の気持に正直でなければ偽りの関係になってしまいます。相手の話を聞いて「安心したと」ならば「安心したよ」と伝え、「心配だ」ならば説得せずに「心配だよ」と素直に伝えることが大事。
この3つの傾聴と肯定と共感で相手の信頼を勝ち取リましょう!
さいごに
以上が、参考になった点です。ゴマすりやピグマリオン効果、ロジャースの療法はさりげなく使っていますが、ラベルと名簿は現場で活かせるかもしれませんね?
警察の人や先生が犯罪を起こした!とニュースでもよく取り上げられていますよね。人間が動く時は心理的な原因やきっかけがあります。それは利益の追求のため。利益は金銭だけでなく、快感、刺激、昇進、安定・安心、所属、健康なども含みます。
フロイトのいう「快楽原則」によると、
エス:欲望の充足を促す心的機能。→他人からぶん獲ってでもソレを実行せよ!と自分に命令してくる。
超自我:道徳や社会的ルールを重んじる心的機能。→エスの暴走を防ぐ役割
自我:エスと超自我の調停役
エスは大脳辺縁系から表出される情動、つまり本能的なものなので理性的である超自我に打ち勝ってしまうことがあります。だから学校の先生や警察官など人生のお手本とでもいうべき人が、痴漢をしたり金銭をくすねたりして犯罪を起こすわけです。
品行方正に振る舞うことを周囲から要求されているだけに性衝動を抑圧せざるを得ません。その反動として破廉恥な行為に走ってしまうことがあるんですね!
※伊達一啓著「心を透視する技術」↓