しびれの治療法ってどんな?手足しびれへの保護

しびれの治療法ってどんな?手足しびれへの保護

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

しびれを治療するには、さまざまな方法があります。
西洋医学では、対症療法と呼ばれる薬物療法や注射療法、牽引(けんいん)療法や温熱療法などの物理療法、そして運動療法などがありますが、これらの治療法は組み合わせていきながら治療を行っていきます。

シャキ!

ここでは、しびれへの治療法とリハビリについてお伝えします。

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しびれの治療法


しびれの治療法には、次の通り。

・牽引療法

ベッドで横になり上半身を固定し、骨盤に装着したバンドに重りをつけて骨盤を引っ張る治療法です。牽引(引っ張る作用)と休止(緩める作用)を繰り返すことにより、椎間板にかかる圧を低く抑えて痛みやしびれを緩和します。

・温熱療法

温熱療法には、温湿布、ホットパック、超短波、低出力レーザーなどがあります。しびれの原因となる患部を温めて血行を良くし、緊張した筋肉をほぐして痛みやしびれを緩和する効果があります。

・運動療法

無理のない程度に身体を動かし症状に合わせた運動療法を行い、しびれなどの改善・予防を目指します。

これらの治療法は、組み合わせて行うわけですから、例えば牽引療法と温熱療法を併用することでしびれ緩和に効果があるという方法です。
しかし、しびれが起こる部位によって治療法は異なりますので、対症療法だけでは困難な場合には、手術療法を行うこともあります。

・薬物療法

痛み止めとしての消炎鎮痛薬が最も多く処方されます。
その薬を上手に使うことで痛みやしびれは楽になりますが、その根本となる原因を治していかない限り、しびれを改善することは困難です。

しびれのリハビリ 脱感作療法

リハビリの現場でしびれを訴える人が数多くいらっしゃいます。
たとえ、しびれがあってもいろんな物に触れることが感覚障害には有益であることはリハビリの世界ではよく知られています。

脱感作療法をご存知でしょうか?
リハビリの現場で感覚障害を持つ人に対して行う治療法です。実際に指導する側である私もリハビリの一つとして取り入れることもあります。

脱感作療法の目標は、受け入れられる刺激から始め徐々に閾値を高めていくことです。
※閾値:しびれや痛みを感じるか?否か?の境界線と思ってください。その境界線(閾値)が低いと通常なら感じない刺激でも痛みやしびれを感じてしまうこと。

脳梗塞や脳出血などの脳損傷者は中枢神経系の障害によって感覚障害が起きてしまいますが、中枢神経系の病変の部位や大きさによって感覚障害の種類や程度などが異なってきます。
感覚障害はマヒ側に全般的に認められますが、特に上肢(肩から手指にかけて)著しく障害されます。

脳損傷者の感覚刺激に対する過剰反応がある場合は、脱感作療法を用いるケースが多いです。

脱感作療法は、行動療法の一技法。古典的条件づけを理論的基礎とする。
不安の対象となる状況・モノに対して、それらを対象者の主観的刺激の強弱によって階層化する。
また脱感作と呼ばれるリラクゼーション(主に筋弛緩などを用いる)を学ぶ。
そして十分にリラックスした状態で階層的に低い不安対象に暴露してゆく技法。

簡単に言うと、不安や恐怖症を持つ対象者に対して不安・恐怖を覚える場面をいくつか提示します。
不安や恐怖を喚起させるようになったら、同時にリラクゼーション訓練を行い、不安や恐怖を感じるはずの場面が逆にリラックスとなってきます。

つまり、最初は一番小さな不安・恐怖を感じる場面から始めて、慣れてきたら次に強い緊張する場面へと段階的に進めていくのです。
そして最終的に、現実場面において不安や恐怖を感じなくなるまで、この一連の訓練を繰り返すわけです。

脱感作療法は本来心理療法として使われるのですが、リハビリの現場でもその原理を利用して治療することもあります。
対象者が耐えられる柔らかい材質から開始し、慣れてきたら粗い物など刺激の多い物へと段階づけます。

具体的な例を挙げると、容器の中にあずきや米、細かく刻んだスポンジなどの材料を入れて、その中で手をかき回したり探索させたりする方法ですね。

脱感作療法を行う同時に、感覚障害により起こり得る火傷やケガなどの危険性を理解させたり、四肢を視野内で常に操作するなどの視覚的代償法を指導したりします。

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手技療法でしびれ改善!


気になるしびれが出てきたら、誰もが不安になると思います。
上肢や手指にしびれや筋肉痛のような痛みが出て「もしや、脳梗塞かも?」と不安になりますよね?

病院で診てもらったら、特に異常はなし。
しびれが残存しているのであれば、まだ安心できないと思う人もいらっしゃるだろうと思います。

病院で気になる部位をレントゲンなどの検査で重篤な問題がなければ、カイロプラクティックなどのような治療院で手技療法を受けると、しびれが改善してくる可能性があります。

毎日、職場でのデスクワークが中心の人は、どうしても姿勢が悪くなり腰や肩の痛みが伴いやすくなります。
これは、頸椎(首の骨)や鎖骨周囲のアンバランスや筋肉の過緊張などの異常があると、上肢や手指などにしびれが現れることがあります。

なぜ、上肢や手指にしびれが起きるのかと言うと、指先の神経が首から鎖骨の下を通って指先まで走っているためです。

したがって、手技療法で頸椎や鎖骨周囲の異常部位を調整しておくことによって、しびれが改善してくる可能性があるかもしれません。

MRIやレントゲンなどの精密検査で特に問題となるような所見がなければ、カイロプラクティックなどのような治療院で手技療法を受けることを検討されてはどうでしょうか?

しびれへの保護


リハビリという職業柄、感覚障害を重視した立場から患者や利用者に日常生活においての留意点を指導することがあります。

感覚検査の結果に基づいて、障害されている感覚の種類(例えば、冷たさが感じないなら冷覚の障害がある)その部位と範囲、そして程度について説明します。

説明しても理解できないことがあるので、具体的に痛みや温冷覚刺激を加えながら、どのように障害されているか自覚していただくようにしています。
例えば、鉛筆の先を皮膚の上に当てて、「痛いですか?」、「触れているのをわかりますか?」と質問します。

運動麻痺・感覚低下・異常知覚という症状が、日常生活場面において、いつ、いかなる、どのように外傷や熱傷の危険があるか、また、それを回避するための方法も指導します。
例えば手にしびれがある場合、お湯の入ったポットからコップに注ぐ際の動作について、熱傷を予防するような方法を実際の場面でリハビリを行います。

風呂の湯加減や湯たんぽもそうですが、障害のない皮膚に当てて判断するように指導することもあります。
足にしびれがあって温度を確認できない場合は前腕に当てる、手のしびれに対しては口唇を使って確認するようにします。

身体部位によって温度の感覚が異なってくるので、注意が必要ですね。
極端な例かもしれませんが、ホッカイロのような温度が低くても熱が長時間加わると低温熱傷の危険があります。

他に足にしびれがあって靴下や靴を履いても、きついのか緩いのか分かりづらいこともあります。
たとえ緩やかな圧迫でも、それが繰り返されたり持続されたりすると圧迫性の潰瘍を生ずることも考えられます。

したがって履物に関しては、まず足のサイズに合っているか、靴の中に小石などが入っていないかを十分に確認することを習慣づけるといいでしょう。

特に糖尿病の人はわずかな圧迫でも神経障害や循環障害を招くと言われているので、身体を圧迫するような衣服や行為を避けるようにしてください。

※参考文献:「OT臨床ハンドブック」「エガース片麻痺の作業療法」より一部抜粋。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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