認知症ケアコミュニケーションのコツ⑤対象者の生活機能とその思いを「知る」

認知症ケアコミュニケーションのコツ⑤対象者の生活機能とその思いを「知る」

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

12月10日に認知症ライフパートナーの試験を受験された方、お疲れ様でした。
合格発表は来年ですから、それまでは何も考えずに普通に暮らしましょう笑

今日は、認知症ケアにおけるコミュニケーションの7つのうち5番目の対象者の生活機能とその思いを「知る」についてお伝えします。
※公式テキスト認知症ライフパートナーを参照。

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認知症ケアにおけるコミュニケーションの7つのコツ

①自分の態勢を「整える」
②治療・援助者が希望を持ち「まなざす」
③希望というまなざしを向けて「共にある」
④対象者の心の開きを「待つ」
⑤対象者の生活機能とその思いを「知る」
⑥その思いを言葉に頼ることなく「伝える」
⑦正しく伝えるために言葉で「話す」

以上の7つが認知症ケアにおけるコミュニケーションのコツです。

今回は、⑤の対象者の生活機能とその思いを「知る」のことを説明します。

 

対象者の生活機能とその思いを「知る」

「知る」ことは、認知症の人をケアする上で評価の原点ともいえる、重要な要素とも言えます。
公式テキストを読んで、大変勉強になったのを覚えています^^

2つの「知る」

「知る」には、次の2つあります。

  • ケアする者が自分を「知る」こと
  • ケアを受ける者を「知る」こと

 

ケアする者が自分を「知る」は、自己洞察・自己認知にあたり、ケアを受ける者を「知る」は、広くケアの対象者を理解するための評価に相当します。

「知る」ための4つのポイント

対象者を「知る」には、以下のように4つのポイントがあります。

「知る」4つのポイント

①「聴く」
②「観る」
③「集める」
④「読む」

ここでは、①「聴く」について話したいと思います。※②以降は次回に。
 

対象者を知るための「聴く」


「聴く」ことはケアの対象者を知るのに最も重要な要素とも言えます。ただ、認知症の人から話を聴くのが困難でしょう。

話しても返事がない」「会話が成立しなかった」で終わる人が多いのではないでしょうか?

その場合は、言葉の意味ばかりに頼るのはあまり望ましいとはいえません。返事ができないこと、あるいは返事をしないことが返事である場合もあるというわけですね。

「聴く」コツ

 「聴く」は傾聴、すなわち共感して耳を傾けること。中途半端な共感的態度は信頼関係を損ね、過剰な感情移入はケア関係に歪みを引き起こしてしまいます。

基本となる聴き方コツは、以下の5点あります。

「聴く」POINT

①自分の気持ちを伝えるより、相手の話しに耳を傾ける。
②話された内容の価値判断をせず、その気持を受け止める。
③指導的な助言は控える。
④相手の話を遮らないようにする。
⑤何を伝えたいのかを読み取るように聴く。

心当たりませんか?「何か言ってあげなければ…」という思いから、ついついアドバイスしたり質問してしまったりと、とにかく相手の気持ちに耳を傾けることが必要なんですね。

また対象者の言葉の意味だけでなく、声の大小、強弱、高低、速さと変化、間合い、テンポと変化、リズム、抑揚、語気(語調)、言葉の量、言葉の連続性(流暢さ)などの話され方を聴き取ることが話された言葉の意味を理解するために重要です。

ただ言葉の変質や乖離がある場合、言語としての共通の意味が失われ、意味が分からない場合もあります。そのような時は、その人の使う言葉の意味の世界に合わせることが必要になります。

「聴く」ことの効果

傾聴することで得られる効果は、以下の3点あります。

「聴く」ことの効果

①自分の気持を分かろうとしている
  …というケアする者の姿勢が伝わり、認知症の人にとっても、
②自分の思いを分かってもらえそうだ
  …という気持ちになれば、警戒する気持ちが緩み、
③話したことで気持ちが楽になる

要は、傾聴することで「話す」ことが話した者の重荷を離して、放す役割を担うようにしましょう、ということです。

よくない聴き方


逆に、よくない聴き方のコツは以下の4点があります。

NGな聴き方

①熱心に何もかも聴きすぎる。
②関係を失うまいと安請け合いする。
③何か助言をしなければと、無理をして自分の考えを述べる。
④聴きとりにくいのに分かったふりをする。

うんうん、どうしても経験の浅い人は聴き方のコツが分かっていないから、上記のようにやってしまうんですよね。管理人もそうでした^^;

さいごに

対象者の生活機能とその思いを知るためには、傾聴の姿勢を持つこと。
ケアする者として、何か役に立たなければという思いを忘れて、どんな辛い話も、嬉しい話も、悲しい話も、ふんわりと包み込みを受け止めて傾けることです。

また、話し方や身体への現れ(体の表情)をも聴き取るつもりで、言葉の意味にとらわれず、話される思いをしっかりと聴き取れば、そのような聴き方ができるようになるでしょう。

続きは、対象者を「知る」方法の一つ、「観る」の話に触れます。

 
最後までお読み下さりありがとうございました。
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