認知症ケアにおけるドールセラピーの目的とおすすめの赤ちゃん人形はどれ?

認知症ケアにおけるドールセラピーの目的とおすすめの人形はどれ?

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

本日、勉強するテーマはドールセラピーです。
※認知症ライフパートナーのテキストと過去問を参照にしています。

ドールセラピーを取り入れている施設って、そんなに多くないと思いますが、テキストを読み直すと「ははぁ、なるほどねぇ。」と大変勉強になりました。

シャキ!

ここでは、ドールセラピーの目的とおすすめの人形についてお伝えします。

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なぜ赤ちゃ人形を用いるの?


ドールセラピーとは、赤ちゃんの代わりとしての人形を用いたかかわりが、認知症を伴う人の豊かな感情の発露やコミュニケーションにつながるセラピーのひとつです。

そもそも赤ちゃん人形を用いるのはなぜか?
それには根拠があるようです。

アメリカの雑誌「NEWSWEEK」(←超有名ですよね!?)によると、次のように報告されています。

子持ちのラットは記憶力と空間識別能力に優れている。出産によってエストロゲンやオキシトシンなどのホルモン分泌が盛んになり、ニューロンの密度が高まり、
…中略…
出産経験のないメスのラットも、赤ちゃんラットと接すると脳に何百ものニューロンが発生した

と報告されています。

祖父母が孫を育てることを育養と言いますが、孫を育てること自体に認知症の予防につながるというわけですね。

ダイバージョナルセラピストであるランダルは、「人形を生活に取り入れることで、愛情を注ぐ対象を持つこと。それは感性を豊かにし、意味のあるかかわりや社会的なかかわりをつくることです。」と話しています。

※ダイバージョナルセラピーとは?
ダイバーション「方向を転換する」「気分を晴らす」「迂回路」の意味のことで、各個人がいかなる状態にあっても自分らしくよりよく行きたいという願望を実現する機会を持てるよう、その独自性と個性を尊重し援助するために「事前調査→計画→実施→事後評価」のプロセスに基づいて、各個人の「楽しみ」と「ライフスタイル」に焦点をあてる全人的アプローチの思想と実践である。

赤ちゃん人形を通して”愛する”というポジティブな感情を経験し、他者とのコミュニケーションを生み出し感性を活性できるように手助けするプロセスが得られる、ということです。

ドールセラピーの目的は?

ドールセラピーの目的は次のように3つあります。

①コミュニケーション
②ポジティブな感情と想像力の表出
・母親経験によるものとは限らない。
・人形に対し、笑顔を見せたり語りかけたりするのは、脳の病変によって記憶や判断力、計算、時間・空間認識、社会的行動などのさまざまな生活能力が低下しても、過去に強い感情とともにインプットされた記憶を総動員して表出される想像力や感性は、認知症の進行によっても損なわれることはないため。
③受動から能動へ
・手足がちぎれるような行為が見られても、これは受動から能動への転換である。

ドールセラピー導入の前に、高齢者が成熟した一人の大人であり、自尊心を損なうことなく赤ちゃん人形に感じた愛情を自然に表出できるように家族や職員による適切な対応や環境づくりが必要です。

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どの人形がいい?

基本的にどの人形でもOKですが、愛情を示す(笑顔を向ける)人形であればOKです。

なお、人形選びの際の留意点は次の通り。

①外見
・玩具的な人形はNG!本物の赤ちゃんに近い体形を!
②大きさと重さ
・新生児くらい。身長45~48cm,体重1000~1300g
③素材
・布製で中に綿などの詰め物があるもの。プラスチックは避けたほうがよい。
④ファンクション
・腕、脚は関節のように自由に動くもの。
首はまだ座っていないもののほうがよい!目は日本人の瞳に近い色、横にすると閉じるスリーピングアイのほうが安息感がある!
⑤機械的ファンクション
・ICチップや音声認識など組み込んだペット人形やおしゃべりをする赤ちゃん人形があるが、ドールセラピーとしての人形に入れることの是非について一概に結論付けることはできない。独居高齢者にとっては話しかけてくれる人形であればいいが、想像力を活性するという目的で果たして機械との対話がどこまで耐えうるのかは議論がある。むしろ認知症の人が想像力を阻害したり混乱を招いたりするおそれがあるので、継続的に観察し、対話しながら見守っていくことが大切。

ドールセラピーに相応しい赤ちゃん人形はどれ?

ドールセラピーとして使われる赤ちゃん人形とはどういうものか?気になって調べてみました。

その結果、「のんちゃん」という人形でした。しかも売れているようです。

なぜ「のんちゃん」と名前を付けられたのか不明ですが、見るからに赤ちゃんっぽい作りとなっていますね。
ドールセラピーとして使うのに相応しいかなと思います。

実際、この人形の身長は46㌢、体重が1.2kgと選定基準を満たしていますぞ!
しかも着せ替えやスリーピングアイも可能!

もっと可愛い赤ちゃんがいい!のであれば、次の人形はどうでしょうか?
身長52~55cmで体重が1200gと、ちと身長が高く顔が明らかに日本人ではありませんが。

他にリアルな赤ちゃん人形をご覧になりたい方は、こちらへ

認知症の人に限らず、小さな女の子でも人気があるようですよ。
愛娘が少し大きくなったら、プレゼントしてあげようかな?

音声認識人形を選ぶなら

こんなデータがあります。
内閣府の統計によれば、

65歳以上の人の30%は、2~3日に1度しか話をしない

認知症予防する上で、大切なことは「会話」することなんですよね?
会話って頭を使う習慣がありますから。

会話の機会が少ない方にとって、頭の老化が早まることにもつながりかねないわけです。

そこで、登場するのが、みーちゃん

※みーちゃん。声が可愛いですよ↓

 

この人形、いや、みーちゃんの最大の特徴は一緒に会話ができること。最近の音声認識技術で、自分たちの声を認識して返事をしてくれるそうです。

みーちゃんは4歳の女の子ですから、多少たどたどしく話しかけることもあるらしく本当の孫みたいで可愛いと評判とのこと。
気になる言葉の数ですが、なんと800以上も!しかも歌が20曲!

※詳しくはみーちゃん公式サイト

話し相手になるだけでなく脳トレも!

人形でもついに脳トレ機能がつくようになりました。

その名はおりこうのんちゃん
あれ?さっきののんちゃんと同じちゃう?

いえいえ全く別物です!
「おりこう」というワードがついているので、コミュニケーションしながら脳トレができるのです!

脳トレメニューは全8種類あるので、飽きずに脳トレができるはずです。
動画を見たら分かるのですが、「しりとり」ができるんです!

気にある言葉ですが、なんと1600通り以上もあります。しかも歌は30曲!
※一緒に脳トレができるおりこうのんちゃん↓

 

いろいろ赤ちゃん人形を紹介しましたが、いずれも独居の方で話し相手が欲しい人にはピッタリではないでしょうか?
遠方にいるご両親へのプレゼントとしてもいいですね。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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