こだわりの強い認知症への8つの対応方法とは? ~認知症ケア9大法則~

こだわりの強い認知症への8つの対応方法とは?

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

前回は認知症をよく理解するための9大法則・1原則⑤感情残像の法則をお伝えしました。
今日は⑥こだわりの法則についてです。
※認知症ライフパートナーのテキストと過去問を参照。

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認知症を理解する法則とは?

では、杉山孝博氏の提唱する、認知症を理解するための9大法則・1原則は以下の通りです。

9大法則1原則①記憶障害に関する法則
②症状の出現頻度に関する法則
③自己有利の法則
④まだら症状の法則
⑤感情残像の法則
⑥こだわりの法則
⑦作用・反作用の法則
⑧認知症症状の了解可能性に関する法則
⑨衰弱の進行に関する法則
1原則・・・介護に関する原則

今日は⑥こだわりの法則についてです。
 

こだわりの法則


ある一つのことにいつまでもこだわり続ける説得や否定ばかりするほど、こだわりを強めるという特徴があります。

そんなこだわりという症状が見られたら、どうしたらいいのでしょうか?
こだわり始めたきっかけを見つけることです。こだわり続ける気持ちを理解して軽くするには、どうしたら一番良いのかという観点で割り切って対応すると良いそうです。
 

こだわりへの8つの対応方法


対応方法には、次の8つあります。

こだわりへの8対応方法

①こだわりの原因を見つけて対応する。
②そのままにしておく。
③第三者に登場してもらう。
④場面転換をする。
⑤地域の協力・理解を得る。
⑥一手だけ先手を打つ。
⑦認知症の人の過去を知る。
⑧長時間は続かないと割り切る。

①こだわりの原因を見つけ対応する!

認知症の人があるこだわりを示したら、その背景となる原因を見つける。そして、その原因に対して適切な手を打つことで症状が軽くなります。

②そのままにしておく!

このままにしておいて何が問題か?命に別状がなければ、このままにしておく」という発想を変えるのも一つ。良かれと思って問題症状の解決に努めるのはいいが、そのことばかりに働きかけを強めていると、症状が悪化することがあるので注意が必要です。

③第三者に登場してもらう!

身近な人に激しい症状を示すが、他人にはしっかりとした言動を取るという、第②法則の症状の出現頻度に関する法則を用います。

例えば「年金が無断で使われている!」と思い込んでいる人がいたら、郵便局や銀行員が「大丈夫ですよ」と声かけると安心してくれます。

白衣を着た医者が言えば、安心してくれますよね?社会的権威者や目上の人などの言うことは受け入れやすいで、そのような人物が登場する場面を作れば、こだわりが軽減します。

④場面転換をする!

別のことに関心を向けさせて、認知症の症状を軽くする方法。

例えば、次のようなケース。

夜中に叫ぶ人に対して、「静かにしてください」と説得しても無理。
 ↓
「好きなまんじゅうがあるので食べましょうか?」など上手に勧める。
 ↓
食べた後に、「私は休みますから、○さんも寝てくださいね」と声かける。

⑤地域の協力・理解を得る!

夜間の騒音、ゴミ出し、徘徊、隣人への被害妄想など、地域社会との関わりを持つ認知症の症状は少なくありません。家族は「遠慮」「気兼ね」「陳謝」など、近所への気遣いという重荷を背負っています。
「明日は我が身」「お互い様」という理解が地域に根付いていれば、「認知症になっても安心して暮らせる地域づくり」が可能になります。

⑥一手だけ先手を打つ!

症状を抑えるというより、症状からくる介護負担を軽くするため「手を打つ」こと
例)徘徊→GPS機能付き携帯電話を持ってもらう。

⑦認知症の人の過去を知る!

①記憶障害に関する法則に出てくる「記憶の逆行性喪失」を特徴を理解しておけば、本人がこだわる理由や執着の度合いが分かるようになります。介護者がこの特徴を理解できれば、症状を受け入れやすくなります。

⑧長時間は続かないと割り切る!

金銭や物に対する執着のように、「生存に直結する症状」は何年も続くことがあるが、一般的に一つの症状は長く続きません。半年~1年ほどで別の症状に変わっていく特徴があると言われています。

以上が、こだわりの法則でした。

次回は、9大法則の⑦作用・反作用の法則について紹介したいと思います。

 
最後までお読み下さりありがとうございました。
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