バイザーから実習生へのフィードバック

実習指導者から実習生へのフィードバック

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

現在、老人ホームで非常勤として勤務しています。
非常勤の身ですので、現場で作業療法学生(OTS)を実習指導することはできません。
※今は仮に実習指導の依頼を受けても、きっぱり断ると思います。

でも前職場で実習指導者としての経験はあります。
「実習を経て机上では学べないことをたくさん吸収して欲しい」、「現場に来てよかった」と思えるように、実習指導者として指導してまいりました。

学生さんの姿を見ると私自身が「初心」を再確認できるので、本当にいい機会でした。

「さて、どう料理しようかな?(別訳:どう指導しようかな?)」と、学生さんがどこまで成長するかを大いに期待してましたね。

シャキ!

ここでは、実習指導者から実習生へのフィードバックをお伝えしようと思います。

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初回フィードバック

学生さんが来たその日に、オリエンテーションやフィードバックの時に、次のようによく説明してました。

①医療従事者・社会人の一員として最低限のマナーを守ること。
①利用者に常に評価されていることを忘れずに。
②ケースの潜在的ニードをしっかりと探ること。
③ICFでいう活動や参加に着目すること。
④作業療法士(OT)ならではの思考を入れておくこと。
⑤レポートも大切だけど、それよりも現場でいろいろと経験してもらうこと。
⑥定時(実習終了時間)に帰ること。

特に「⑤定時(実習終了時間)に帰ること」は意識しました。
実習生は自宅に帰ったら、寝る間を惜しんでレポート作成するのって、ちょっと酷なんですよね。

フィードバックはなるべく定時前に済ませるようにしました。

私が某施設で実習生活を過ごしていた時のことです。
あるスーパーバイザーが自身の業務を終えるまで、帰らせてくれませんでした。つまりリハスタッフが全員業務を終えるまで、帰ってはいけなかったのです!

いつも夜9,10時位に業務を終えることが多々ありました。一番遅い時は夜11時でした!ましてや休憩中に、強制的にバレーやランニングをさせられました。(←体力をつけるためだ!と言うけど、全く意味分からん!)
遅い晩飯と入浴を済ませ、さあレポートを作成しようと思ったら、時はすでに0時。
睡眠時間が3,4時間しか確保できず、実習中、ずっと睡魔に襲われました。

で、その施設では8週間リタイアせずに挑んだものの、残念ながら不合格の烙印を押されました。

※私が実習不合格となった理由↓

今思えば、間違いなくパワハラの一種でしょう。
そんなことがありましたから、実習生の立場を考え、実習生活だけでなく日常生活に支障を及ぼさないようにと、「定時に帰って、早めにレポートを書いてしっかりと寝るようにしなさいね」と指導しました。

実習生へのアドバイス

ここでは、管理人が実習生に意識してもらいポイントをご紹介したいと思います。
今後、実習生活を送る学生さんがいましたら、参考になれば幸いです。

・目標はNeedsと評価から導き出されること。
・HopeはNeedsと同じ意味ではない。
・Needsとdemandの違いを明確にする。
・Needs=wants+Needs→マズロー欲求階層説を取り入れる。
・NPI興味チェックリストをするなら、性格分析も合わせて行うこと。
・ICFでいう参加レベルの目標を主目標とすること。
・利用者に評価される立場にあることを忘れずに。
・質問力を鍛える→open question&closed question、ズームイン ズームアウトを有効に活用すること。
・利用者は具体的な生活目標を持っていないことが多い。→セラピストとともに考えることが大切。
・「歩きたい」「腰を何とかしたい」と仰る利用者は、リハビリへのイメージはマッサージをする先生、歩行を指導してくれる先生だと思っていることが多い。→潜在的なニードがあるはず。→質問を通して真のニードを探ることが大切。
・年々OTが増えている。→生き残りたいなら、USPを最低1つ見つけ出すこと。

※マズロー欲求階層説に関する記事↓

実習生のためのお疲れ様会を開いて、他スタッフに「実習生活、どうだった?」と聞かれ、実習生は「楽しい実習生活を過ごせました!」と嬉しい一言を頂きました。

管理人は必要に応じて「車椅子シーティング」を指導することがあります。
実習生の多くは車椅子のシーティングについて大変興味を持ってくれたのは嬉しかったです。

だって学校ではあまり車椅子シーティングのこと教えてくれませんでしたから。
私が教えたシーティングのテクを臨床現場でもフルに活用して欲しいと思います。

作業療法士は飽和状態にある


実習初日のオリエンテーション時に、「作業療法士は飽和状態にある」と毎回説明してました。

・平成23年5月25日時点で、
OTの有資格者数:57,196名
 
・令和1年8月15日時点で、
OTの有資格者数:94,255名

9年前の時と比べて、有資格者数が明らかに年々増加していることが分かります。来年か再来年あたりで10万人突破しそうな勢いですね。
10万人近くも作業療法士がいるわけですから、サラリーマンと同様、淘汰(リストラ)される日が近づいてくるかもしれません。
そんな危惧感が拭えません。

作業療法士として生き残るためには?


患者・利用者は今までは作業療法士を選べなかったけど、いずれは患者・利用者に選ばれる時代がやってくると思います。

患者・利用者が数ある作業療法士を選ぶ基準は、豊かな人間性、高度な技術や幅広い知識のある作業療法士であること。
選ばれる要素が、技術や知識が必要であることはそんなのは当たり前。

むしろ大切なことは、他の作業療法士とは違う独自の強みを持っていることだと思います。

マーケティング業界で使われている「USP」という専門用語がありますが、私はこのUSPを意識しながら、作業療法士として働いています。

※USPを見つけるには?↓

年々増加している作業療法士から抜け出すには、他の作業療法士にはないUSPを作り出すことがポイントかなと思います。

これまでに指導した実習生には、作業療法士として生きるための独自の強みを最低一つでもいいから、用意した方が良いとアドバイスしました。

他の作業療法士にはない独自の強みを持っていることを患者・利用者にアピールすれば、生き残れるかもしれませんから。


最後までお読み下さりありがとうございました。
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