誤嚥を起こしてしまったら、まずは何を?
先日、介護スタッフが食事介助中に無理やり押し込んだらしく、誤嚥でムセてしまったのを見かけました。
その時のスタッフの対応を見て、「ん?」と首をかしげてしまいました。その対応法とは、頭部を上に向かせ、背部を思いっきり「パンパン」と叩いたのです!
いやいや、頭部を上に向いたらアカンやろ?すかさずフォローし、辛うじてムセが止まりました。
もし誤嚥を起こしてしまったら、まずは何をしますか?
ここでは、誤嚥を起こした時の対応法についてお伝えします。
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誤嚥を起こしてしまったら…!
前職場で頂いた資料を参照にしました。資料によると、全部で6つの方法があります。一つずつ手順を踏んで対応を取ってくださいね。
①「あー」「うー」という声を出してもらう
ほんの数秒で顔色・口唇などチアノーゼが表れ痙攣を起こすことがある。
※発症から7分ほどで脳に酸素がいかなくなることがあるので注意が必要!
②すぐ口腔内の食物を除去する
痙攣が始まった時は口腔内の食物を除去することが困難になるため、痙攣が始まる前に除去することが大切。
※この時に水を飲ませるのはNG!
③背部を叩いて出す
いわゆる背部タッピング法。座った姿勢または横向きに寝かせ、左右の肩甲骨の間を手のひらで数回叩く。
※異物が詰まったり固まったりしておらず、動く場合のみ有効!
④腹部圧迫法(ハイムリック法)
利用者を立たせるか座らせて、背後にまわり片手をゲンコツにし、ミゾオチに置き抱えるようにして反対の手でゲンコツにした手首を握り、弾みをつけながら勢いよくミゾオチに押し付け急激に腹部を圧迫する。
座ることができない場合、仰向けにし太ももに座り、手のひらをミゾオチに置き、そのまま腹部を強く圧迫。または、手の平を左右のアバラ部分に置き強く圧迫します。
※高齢者の肋骨は脆いので、注意が必要!なるべく肋骨の下に手を回すこと!
※肺の空気を外に出す流れで喉に詰まった食べ物を外に押し出すイメージで!
⑤異物除去を吸引機で吸い出す
⑥意識がなく、脈が触れなければ、心肺蘇生法を行なう
救命処置法やAEDの使用方法などは次の記事をご参照ください。
※ハイムリック法と背部叩打法の仕方は次の動画をご覧ください↓
もしアレを飲んでしまったら?
次のようなものを誤飲した場合、どうしますか?
・洗浄剤や漂白剤、白髪染め
→牛乳または水を飲ませる!
・タバコ
→すぐに吐かせる!
・ボタン電池と石油製品
→直ちに病院へ!
さいごに
現場では、③の「背部を叩いて出す」で対応を取る職員が多いと思います。ですが、叩く前に、まず声を出してもらうことが大切です。「うー」「あー」と唸るような声が聞こえたら、きっと発声できるはずですから、まずは声を出して吐き出すように促します。
ある理学療法士に教わったのですが、叩く場合は手の平にくぼみをつけてからの方が良いとのこと。
いずれにしろ、食事介助中、利用者の嚥下状態をよく観察することが大切ですね。