義歯の人は認知症リスクが?運動機能と寿命も変わる?

義歯の人は認知症リスクが?運動機能と寿命も変わる?

みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)

最近、健康寿命という言葉が普及してきましたね。
日本の平均寿命が84歳ですが、必ずしも介助なしで健康でいられるとは限りません。天寿を全うするまで、普段の生活上でも介護を必要とせずに自立した生活ができたらいいですよね。
この介護の必要のない期間が健康寿命です。

ここでは、義歯の人に見られる認知症と運動機能の変化についてお伝えします。

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認知症と歯の本数との関連性

高齢に伴い歯が抜けてしまうこともありますが、40代以降で歯が抜ける原因の多くは、歯周病とされています。歯周病が進行し、歯を支持している歯槽骨が脆弱し、それに伴い歯肉が退行して歯を抜けてしまうわけですね。

さて、認知症と歯の本数との関連性についてですが、歯の本数が19本以下だと20本以上に比べ、1.85倍も認知症の発症リスクがあると言われています。

理由は噛み砕く能力が低下し脳への刺激が少なってしまうから。それに本来、しっかり噛むこと自体が大切なのに、最近の食形態って柔らかいのが多いですよね?ふんわり系、とろり系の食物など。柔らかい食形態ばかりだと、偏食や栄養不足に陥り、認知症のリスクが高まってしまいます。
 

認知症だけでなく転倒リスクも!?


認知症の発症リスクだけでなく、転倒リスクも高まります。
65歳以上の方を対象にし、直近1年間に2回以上転倒した経験の有無を調査した結果によれば、歯の本数が19本以下だと20本以上に比べ、2.5倍も転倒リスクが高いという結果が出ました。

ということは、歯の本数が19本以下だと認知症・転倒リスクが高く要介護状態になりやすいわけです。

デイご利用の方で100歳以上の男性がいるのですが、なんと歯の残数が20本以上あるようです。平坦地であれば独歩可能で認知面クリアーな方です。そんな方を見てると、やっぱり歯って健康寿命に関係しているなぁと実感させられました。

なお、その方はひと口サイズの食べ物を100回も噛んで噛んで噛んで噛んで…飲み込む習慣があるようです!←それが認知症の予防につながっているんでしょうね。

 

義歯あるなしで運動機能が変わる!?

転倒するばあさん
口腔機能と運動機能には深い関連性があります。利用者の多くは義歯を入れている方が多いのですが、普段、外している人が多いような気がします。義歯は物を噛むために必要なのはもちろんですが、普段の生活上、特に歩く、立つなど起居動作を円滑に行うためにも義歯は必要です。義歯あるなしで、筋力の出力が大きく変わってきます

義歯をしっかりと固定している条件であれば、奥歯で噛み締められますよね?立ち上がる時に噛み締めると力が入ると思います。

義歯を装着せず、口を開けた状態だと思うように力が入りづらく、立ち上がる動作が大変かもしれません。現場では食後に義歯を外す利用者がいませんか?義歯を入れないままの生活動作において、力が入りづらくなり運動機能の低下につながる恐れがあるかもしれません。

だから、総義歯でも部分入れ歯でも、常時入れたほうがいいと思います。義歯がフィットし安定してくれれば、何かの動作を取る時にグッと力が入りやすくなるからです。それがADL動作のレベル向上や身体的機能の改善につながるわけですね。なので、利用者様に常時入れ歯を入れておくようにアドバイスしています。

将来のためにも、日々の歯磨きと口腔内ケアを徹底的に行なっていかないとね!
特に口腔内の乾燥が強い方は要注意!唾液の分泌量が少ないと歯周病にかかりやすいですからね。

絶対に20本以上残ってやるぞ!

最後までお読み下さりありがとうございました。
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