自主トレを続けるためには行動科学的にセルフ・エフィカシーを高めよう!
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
仕事柄、ホームエクササイズを指導しているのですが、なかには継続しない人、行動を起こさない人がいます。運動しない、運動を続けられない…、特に最も頻繁に報告されているのは、以下の理由があります。
「運動する時間がない」
「どのくらい運動したらよいか分からない」
また「運動が嫌い」という心理的要因、「一緒にやる友人がいない」、「運動する場所がない」などの社会的・環境的要因もあるとされています。
では、そんな人に対しどうフォローをすればいいのでしょうか?これらの問題点を解決するにために行動科学の考え方を応用することが有効で、なかでもセルフ・エフィカシーを高めることです。
ここでは、行動科学的にセルフエフィカシーを高める方法についてお伝えします。
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セルフ・エフィカシーを高める!
社会的認知理論を提唱したバンデューラ先生の言葉を借りると、
ある行動を実践した→どんな結果がもたらされる?この判断を結果予測と呼ぶ。
ある行動を起こす前→その行動がどのくらいできるのか?という見通しと、最後までやり遂げられる信念があるのか?このことを効力予感(セルフ・エフィカシー)と呼ぶ。
セルフ・エフィカシーは健康行動と深い関係があります。だからセルフ・エフィカシーを高めていくことが、健康行動を起こすキッカケとなります。
定期的に運動を実践している人はセルフ・エフィカシーを高く持つ傾向があり、それがモチベーションの維持につながっているのです。
セラピストは対象者のセリフ・エフィカシーを高めるようにフォローしていくことが大事ですが、フォローだけでは対象者のセリフ・エフィカシーを高めるのは難しいです。ベストなのは、対象者自身が自らセリフ・エフィカシーを高めていくこと。だから「セルフ」が付くわけですね!
セルフ・エフィカシーを高める4つの情報源
セルフ・エフィカシーを高めるためには、どうしたらいいのでしょうか?以下の4つの情報源を通じて個人が作り出していくように仕掛けていきます。
①成功体験を持つこと
些細な行動でも成功した感覚を持てるとセルフ・エフィカシー↑
②他人の行動を観察すること
自分がこれからやろうとしている行動を上手に行っている人の様子を見ることでセルフ・エフィカシー↑
③言葉によって説得すること
※以前、やる気のない対象者がリハビリを受けてくれませんでした。そんな時は話し上手な利用者にお願いし、その方に励まされたことでモチベーションアップに!セルフ・エフィカシーを高めるのに他者による言語的説得は有効だったんですね。
④身体や心の反応に気付くこと
心身の状態が落ち着いていることに気が付くと、「うまくできるかも?」とセルフ・エフィカシー↑
セルフ・エフィカシーを高めつつ、行動することによって望ましい結果が得られたのならば、健康行動を変容させるキッカケになる。行動科学って面白いですね^^
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運動習慣を定着させる具体的な手法
ここでは、運動習慣を定着させる具体的な手法について紹介したいと思います。
刺激統制およびオペラント強化
①刺激統制 行動したくなるような良い刺激(きっかけ)を増やすこと。
例)普段から歩きやすい靴を履いて外出する、玄関などの目につく場所に運動用具を置くなど。
②オペラント強化 行動した後に自分にとってよい結果がえられるよう、あるいは悪い結果が伴わないように工夫すること。
例)好きな音楽を聞きながら運動する、目標を達成できたら自分自身に報酬を与える。
刺激統制とオペラント強化で運動しやすい環境を整える!
セルフ・モニタリング
これは、自分自身の行動や態度、感情、思考などを観察したり記録することによって、自身の行動や態度に対する具体的で客観的な気づきをもたらすための手法。
例)カレンダーや日記、手帳などを利用し、記録を取ること自体が励みとなって、運動継続の動機付けが高まる。
目標設定
これから変えようとする行動をどのようにするかを取り決める技法をいう。
例)週3回、近所のコースを30分歩く、週5以上犬の散歩を担当するなど。
バランス分析
これは利益不利益分析とも呼ばれ、運動を実施することに伴う恩恵と負担について、意思決定のバランスシートなどを利用しながら確認する。運動することによってすぐに得られるような恩恵への気づきを高めることが重要。
利益が大きく、不利益の少ない運動計画を立てるとよい。
逆戻り予防
精神的ストレスや悪天候、多忙など、習慣化している運動を一時的に中断してしまいそうになる状況を想定して、あらかじめ対処法を準備しておくことを「逆戻り予防」という。つまり、運動を止めてしまいそうになる機会を予測して、対策を立てること。
例)雨天でウォーキングが出来ない場合、室内で音楽を聞きながら足踏み運動するなど。
以上のような、身体活動・運動を推進させるための行動変容技法がありました。これらの技法は、リハビリ現場でも大いに役立つのではないでしょうか?