車椅子シーティング
みなさん、こんばんは。
崖っぷちの難聴OTの林です。

今年終わるまであと半分となりましたね^^;
風邪が流行ってきていますが、体調はいかがですか?

さて、本題です。リクライニング車椅子に乗車している利用者がいらっしゃいませんか?
ティルト式(座面が傾斜する車椅子)ではなく、背もたれの角度調整ができるリクライニング式のことです。

このような経験ありませんか?

背もたれを起こした状態や途中の角度では、利用者が滑り落ちてきちゃう!
元の位置に戻るための座り直し介助したいけど、思うようにできない!
持ち上げづらいので、結構、腰にガツンッと来るし!

「うんうん、あるある♪」と声が聞こえてきます笑 リクライニング車椅子って座り直し介助がとても大変ですよね。

ここでは、リクライニング車椅子の問題点とシーティング方法についてお伝えします。

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リクライニング車椅子の問題点

リクライニング車椅子の問題点は以下の通り、こんなにたくさんあります。

・介護者の負担が大きい!(座り直し介助が大変
・背部にズレが生じ、褥瘡の発生リスクが高い
・リクライニングの角度を変える度に姿勢が崩れる!(その度に身体を持ち上げるのが苦労)
・殿部への負担に変化なし!(リクライニング車椅子自体に除圧機能はない
・頚部の可動性が低下する!(摂食嚥下機能に影響
・上肢の操作性が悪くなる!(箸や歯ブラシが使えないなどADL低下
・大きいので扱いづらい!(邪魔

 
ご覧の通り、本当は他にもデメリットがあるかもしれませんが、リクライニング車椅子自体にそれほどメリットなんてありません。
 

これを見て、どう思います?

突然ですが、下の写真をご覧ください。
このような座位姿勢、一度は目にしたことがあるかと思います。

問題のある車椅子

どうでしょうか?
見た感じ、女王様みたいな座位姿勢ですよね?明らかにずっこけ座り(仙骨座り)です。

安楽そうな姿勢に見えるかもしれませんが、本人の口から「楽やで~!」なんて一言も発していません。それに重度認知症の人で思ったことを口に出せないのです。

「痛い!」とか「楽や!」とか感情的な言葉を発せないから、「何も痛みとか聞かれていないから大丈夫だな!」と勘違いをされるスタッフが多いのです。

そもそも身体の大きさと車椅子合ってますか?
結論から言うと、全然合ってへんのですわ!

考えられるリスクは?

では、そのような姿勢を見て考えられるリスクは何だと思いますか?

褥瘡?

ずっこけ座りとなるのはなぜでしょうか?
ずり落ちようとする力が体の一部にかかったままになります。

臀部を圧迫する力が3倍!
臀部が前方にずれる力が8倍!

 
圧迫力に加え、ずれる力も強くなるので、皮膚がひきつれて苦痛と褥瘡の危険性が高くなります。

褥瘡発生リスクもそうですが、食事摂取時の誤嚥リスクも見逃せません。

上肢をご覧ください。
上肢をアームサポートに乗せ、一見、リラックスしているように見えますが、実は、上腕二頭筋や僧帽筋、三角筋、大胸筋など筋緊張が高いのです!
つまり、筋肉がずっと収縮しているのでリラックスできていない状態なんですね。

これは、本人が体が落ちるのを防ぐために腕の力で体を支えているからです。これでは上肢の操作性が悪くなり、ADL動作が確保できません。

先述したリクライニング車椅子の問題点と照らし合わせてみたら分かるのですが、すべて当てはまっています!

 

リクライニング車椅子へのシーティング

そのような方に対し、管理人はPDCAサイクルによる車椅子シーティングを行いました。

Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階を繰り返すことによって、不良姿勢などの悪い点を継続的に改善できるよう介入。

その結果が下の画像の通りです↓↓

こちらの利用者は端座位でも座位保持できていたので、リクライニング車椅子よりも普通の車椅子乗車でも問題ないと判断しました。普通の車椅子に乗車したら、今度は理想的な座位姿勢に可能な限り近づけるように調整しました。

afterの画像をご覧になると分かるのですが、beforeの画像に比べ、骨盤と肩が水平になっています。
表情をお見せできないのが残念ですが、明らかに表情が違います!重度認知症の人でも表情を見れば、ツライのか?穏やかなのか?それも判断基準の一つになりますからね。
 

利用者を第一に!

リクライニング車椅子使用中利用者や患者がいたら、上述した問題点に当てはまっていないかどうかチェックしてみてください。

たとえ痛みや苦痛を訴えていなくても、いずれは褥瘡や誤嚥など発生リスクがあると想定したほうがいいかなと思います。

スタッフ側の判断で決めるのではなく、利用者を第一に考えてほしいものです。

近くにリクライニング車椅子に乗車している人がいたら、今一度考え直してみては?

 
最後までお読み下さりありがとうございました。
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