認知症ケアコミュニケーションのコツ⑥その思いを言葉に頼ることなく「伝える」
みなさん、こんばんは。崖っぷちのOT林です(@tyahan56)
今日は、認知症ケアにおけるコミュニケーションの6番目のその思いを言葉に頼ることなく「伝える」のコツをお話したいと思います。
※認知症ライフパートナー公式テキストを参考。
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認知症ケアにおけるコミュニケーションの7つのコツ
①自分の態勢を「整える」
②治療・援助者が希望を持ち「まなざす」
③希望というまなざしを向けて「共にある」
④対象者の心の開きを「待つ」
⑤対象者の生活機能とその思いを「知る」
1.聴く
2.「観る」、「集める」、「読む」
⑥その思いを言葉に頼ることなく「伝える」
⑦正しく伝えるために言葉で「話す」
以上の7つが認知症ケアにおけるコミュニケーションのコツです。
ここでは、⑥のその思いを言葉に頼ることなく「伝える」についてお伝えします。
その思いを言葉に頼ることなく「伝える」
その思いを言葉に頼ることなく「伝える」というのは、言葉よりも非言語的コミュニケーションが重要な役割を果たします。
非言語的コミュニケーションには、以下の3つの表情があります。
①声→言葉の表情
②身体→からだの表情
③物→拡張した自我
言葉の表情
特に重要な非言語的メッセージになります。
声の大小、強弱、高低、速さと変化、間合い、テンポと変化、リズム、抑揚、語気(語調)、言葉の量、言葉の連続性、言葉の肌理があり、これらの要素が重なって、話し手の気持ちを言外に表します。
からだの表情
これは言葉の表情に次いで重要な非言語的メッセージです。
からだの表情というのは、身振りや動作などに無意識に現れる人の心の動きのこと。その人の癖であることが多いが、一連の行為の変化に人の心の動きが現れたりします。
拡張した自我
これは個人が所有したり、作った作品、道具や日常用品など、物はその個人にとって固有の意味合いが付加されているため、対象者の性格特性を表す非言語的メッセージです。
具体例を挙げると、服装やアクセサリーや絵画、音楽、手工芸品などがそうですね。アクティビティの作品もその一つでしょう。個人の持っている物から、個人の趣味や興味、価値観、思想などが見て取れるわけですね。
※拡張した自我…個人の所有物や作品をどのように扱うかは、ときにその個人をどう扱うかと同じ意味を持つことがあります。個人(自我)の一部として意味を持つようになった物を拡張した自我といいます。
ちなみに私は担当が決まったら、居室に訪ね、どんな物が置いてあるのかをチラッと観察し、その人の生活背景を読み取るようにしています。
病態や障害像でその人を捉えるのではなく、その人自身を理解することが大切ですから。
例えば宗教的な物(聖教新聞や造仏など)があった場合、その人は信仰心が強いと伺えます。宗教的な話に触れる場合は、慎重に言葉を選んでコミュニケーションを取るように心がけています。
メラビアンの法則でもあるように、音声言語が7%、声が38%、表情が55%と言われ、つまり言葉で伝えられるのは全体の35%しかありません。
ほとんどが非言語的メッセージですから、いかに非言語的メッセージが果たす役割が大きいかが分かります。
さいごに
対象者に伝えるのは言語的コミュニケーションだけでなく、非言語的コミュニケーションも「伝える」手段の一つ。
非言語的コミュニケーションには、「言葉の表情」、「からだの表情」、「拡張した自我」という3つの表情がある。
これらの表情を対象者から読み取るだけでなく、伝える手段の一つしても活用することが大切。
次回は、いよいよ最後のコツである「認知症ケアにおけるコミュニケーション7番目の正しく伝えるために言葉で「話す」」をお伝えします。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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